【HarvestX株式会社】 代表取締役 市川様へインタビュー|AIとロボティクスで食を変える!持続可能な未来の農業を実現

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 HarvestX株式会社(以外、HarvestX)は、東京大学発のスタートアップ企業であり、イチゴの完全自動化を目指し、AIやロボティクスを活用して食品製造業や植物工場向けのソリューションを提供しています。

今回同社の代表である市川様に、メンバーの強みや社内カルチャー、今後の展望、求める人材像について詳しくお話を伺いました。

目次

イチゴ栽培の自動化を追求、AIで実現する食の安定供給

HarvestX株式会社 HPより引用

ーーまずは、会社概要についてお聞かせください。

市川「HarvestXは現在、イチゴ栽培の完全自動化に取り組んでいます。食品製造の現場や植物工場などの企業が、イチゴの生産を自動化することで、安定的かつ高収量でイチゴを生産できるソリューションを提供しています。」

ーーありがとうございます。事業内容についても教えてください。

市川「我々は、イチゴの自動栽培ソリューションを提供しています。ターゲットは食品製造業、植物工場などの企業であり、イチゴの知識や技術を持っていなくてもイチゴを生産できる仕組みを提供しています。ソリューションには、イチゴの苗や栽培設備、肥料や管理溶液のコントローラー、環境をコントロールするためのソフトウェアやサービスがあります。授粉を自動化する部分と作業を自動化するロボットをトータルパッケージ及び一部提供を行っています。」

ーーHarvestXを創業しようと思ったきっかけについてお聞かせください。

市川「元々、私はイチゴが大好きであり、ただ美味しいものを食べたいという想いが強かったです。また、大学でAIロボティクスを研究していたこともあり画像認識やAIに学習させて識別させる技術に取り組んでいた際、農業を対象にしたら面白いのではないかと思ったことがきっかけです。例えば、AIが机や椅子、人を認識するのはよくあることですが、農作物は全く同じものが存在しません。イチゴ一つにしても、大きさ、ツヤ、色味がすべて異なり、同じものが一つとしてありません。そのような多様なパターンをAIに学習させて認識させることは、技術の使い方として非常に面白いと感じました。」

ーーイチゴが好きな想いや技術者としての好奇心が背景にあったのですね。農業現場ではどのような課題があったのでしょうか。

市川「実際に農業現場に行ってみると、農家の方々が土の水分量を手で握って感覚で測っており、技術導入の余地が大きいと感じました。農業の高齢化が進み、食の生産方法が失われつつある現状に対して何かできないかと思い、最初にイチゴの自動収穫ロボットを開発し始めました。しかし、国内の農家は規模が小さく、大きな設備投資が難しいという課題がありました。また、場所ごとに農業環境が異なるため、完璧な自動化は難しいと感じました。」

ーー植物工業ではどのような課題があったのでしょうか。

市川「植物工場における課題は、果実をつける作物の受粉自動化ができていないことです。特に食品製造業では、虫や異物の混入リスクを避けたいニーズが強かったため、収穫ロボットの技術を活かして授粉の自動化を目指し、授粉ロボットの開発を始めました。開発中に、多くの食品製造業が栽培そのものにも苦労していることが分かり、『栽培も一貫してお願いできないか』という相談を受けたことが今の事業に繋がっています。栽培環境を社内に整えたことで、お客様にも大きな価値を提供でき、イチゴ栽培キットの提供が進むことで、企業の生産が加速しています。将来的には、このデータやノウハウを既存の農家にも活用していただけると考えています。」

工学・農学の専門性やAIとロボティクスで実現する高度な栽培の自動化

HarvestX株式会社 HPより引用

ーー御社の強みについても教えてください。

市川「我々の強みは、工学の専門家と農学の専門家が一つのチームとして存在している点です。農業や植物を扱う際、工学的なアプローチで効率化できることもありますが、農学的な知見を活用するとイチゴの生態を理解した上で、よりシンプルな方法で解決できることがあります。また、AIやロボティクスの分野でも強みがあります。我々は植物工場を運営しているため、非常に再現性の高いデータが集まり、そのデータをもとに独自のAIモデルを開発しています。自動化を進める上でロボットのハードウェアが重要で、ハードウェアとソフトウェアの両方を内製化することで、高度な自動化が実現できています。さらに、チームの構成や技術における高い専門性、基礎的な特許取得なども我々の強みです。」

ーー技術を自社で内製化することで高度な栽培の自動化を実現しているのですね。

市川「はい、通常イチゴの収穫の時期は12月から5月頃ですが、我々の植物工場では一年中毎日収穫が可能です。そのため、単純に約3倍の収穫量が期待でき、データの量も大幅に増加します。また、我々は毎回様々な環境変数を把握した上でデータを収集しており、使えるデータが効率的に集まる仕組みが整っていることも大きな強みです。」

ーー栽培環境をコントロールできるのですね。

市川「農業現場ではなく植物工場を選んだ理由として、ロボットやAIを自動化するにあたり、ロボットを様々な環境に適応させるよりも、環境自体を自動化しやすく、AIで認識しやすいように整える方が全体として効率的だと考えたからです。そのため、閉鎖型で環境コントロールがしやすい植物工場を最初の現場として選びました。」

ーーやはり温度や湿度管理を徹底することで高品質なイチゴを栽培できるでしょうか。

市川「そうですね、気温が上がったりすると品質にばらつきが出てしまいますが、我々は室内で生産しているため、そういった環境変化が少なく、一つ一つの個体のムラが減ります。実際に扱っている品種も馴染みのある品種ですので、食べ慣れた味をさらに安定して提供することが可能です。」

ーー資金調達時にはどのような点が評価されているのでしょうか?

市川「食品製造業の現場にて安定的に導入できている点です。ロボティクスや自動化技術がそのような分野に浸透してきた歴史を踏まえ、導入先の企業のニーズが見えています。食品製造業はイチゴの原材料調達に非常に苦労しており、課題が顕著に表れている中で、我々のソリューションがその解決策として確かなものである点が評価されているポイントです。」

次世代農業を切り開く人材を募集中

HarvestX株式会社 採用ページより引用

ーー現在募集している人材について教えてください。

市川「まず、求めているのは機械学習の人材です。ロボットが授粉や収穫などの自動化作業を行うためには、カメラで撮影した画像から対象物を正しく認識する必要があります。そうした物体検出や、肥料の管理、収量予測など、現在のデータと将来の予測を行う機械学習のエンジニアを求めています。また、ロボティクスの制御やロボットの電気設計、機械設計、組み込みソフトの開発も重要なポジションです。さらに、ロボットのハードウェアとウェブのアプリケーションも提供しているため、API設計を行うバックエンドやフロントエンドエンジニアも募集しています。」

ーー求める人物像についても教えてください。

市川「スキルセットはもちろん必要ですが、それ以上に最後まで元気よくやり通せるかどうかが、非常に重要だと感じています。失敗しても前向きに、自分が挑戦したいことに積極的に挑戦できる、そんな元気な方にぜひ来ていただきたいと思っています。また、農業への興味関心が絶対必要というわけではありません。現場に関心を持つことは良いことですが興味がなくても、技術を追求する姿勢があれば、我々の文化にフィットしますし採用したい人物像にも繋がってきます。」

ーー現在のメンバーのバックグラウンドについても教えてください。

市川「栽培チームの研究者や一部の従業員は農業系のバックグラウンドを持っていますが、エンジニアに関しては必ずしも農業に関わっていたわけではありません。例えば、機械設計やハードウェア設計を担当しているエンジニアは電気メーカーなどの出身ですし、シミュレーションや機械学習を担当しているエンジニアは通信業界の出身です。農業の経験がなくても、それぞれの業界で培ってきた技術を農業に応用し、関心を持っていただいており、ロボットやAIに興味があるなど、ロボコンの経験者も比較的多いです。」

ーー社内の特徴やカルチャー、大事にしていることについても教えてください。

市川「社内には、20代から60代の幅広い年齢層の方々が男女問わず在籍しており、ハードウェアを作る人材は、技術に加え製造のノウハウも必要なので、ベテランの方が多く、AIやロボットの分野は比較的新しいため、20代から30代の若い方も多く活躍しています。カルチャーとしては、評論者ではなくプレーヤーとして自ら行動することであり、新しい事業や技術に挑戦した際の失敗から何を得たかを大切にすることです。我々は東京大学をはじめ、栽培やロボット、AIの検証を行うための施設が近くにあり、開発結果をすぐに現場でフィードバックできる環境があります。これにより、開発サイクルを早め、エンジニアにとって非常に開発しやすい環境が整っています。」

ーー今後どのような組織を創っていきたいですか。

市川「現在は各領域で人材が不足しており、1人で複数の分野を横断して対応しています。同じ領域のメンバーが2人以上いることで、客観的な意見を得られたり、働きやすくなったりするので、今後は各ポジションに2名以上のチームを創り、開発の効率を向上していきたいです。採用目標としては、各ポジションで1~2名の採用を直近の1年で目指しており、積極的に採用を進めたいと考えています。」

未来のためにHarvestXが目指す持続可能な食のインフラ

HarvestX株式会社 HPより引用

ーー今後の展望について教えてください。

市川「今後は、イチゴに続いて授粉が必要な果菜類の横展開を進めていきたいと考えています。さらに、AIの活用も進めており、現在は授粉作業の自動化を実現していますが、今後は収穫の自動化や葉を取る作業、早期の病気発見や健康状態の認識といった機能も順次リリースしていく予定です。今年からパッケージソリューションの販売が始まり、お客様にとってより良い機能を順次アップデートしていきます。ようやく我々もスタート地点に立ったところですので、もしご入社いただければ、さらに活躍の場が広がり、現場のニーズを拾い上げてそれを開発にフィードバックし、イチゴをはじめとした果菜類全般に挑戦していけると思います。」

ーー日本国内のみでなく、グローバル展開も考えているのでしょうか。 

市川「国内には確かな需要がありますし、食品製造業には我々のロボティクスによる授粉技術が必要とされていますので、現在その対応に集中しています。ただ、Web経由やお客様同士の紹介、または弊社の投資家からの紹介で、特に多いのは海外からの問い合わせです。実際、国内よりも海外からの問い合わせ数が増えています。そのため、国内市場をしっかり押さえつつ、パートナー企業様と共に海外市場にも進出する見込みです。」

ーー国内外の食のインフラを支えて行くのですね。

市川「これまでの農業はロジやハウス栽培が一般的ですが、これを拡張するだけでは、国内外の食料生産基盤が不安定になってしまいます。気候変動や環境の変化に対応するためには、農作物の作り方自体を根本から変えていく必要があります。私たちは、「未来の世代に、豊かな食を。」をミッションとして掲げており、今ある食や食に関連する文化を守るためにも、AIやロボティクスの技術を活用し、安定した食のインフラを実現していきたいと考えています。」

ーー最後に読者へのメッセージをお願いします。

市川「まだまだ食のインフラ、つまり電気や水道と同じように安心して食を生産するためには、エンジニアや研究者が不足している状況です。収穫や葉を取る作業の自動化やイチゴの収量を最大化するためには、エンジニアの力が欠かせません。私たちは新しい技術をどんどん取り入れていきたいと思っていますので、食に関心があり、この技術の発展に携わりたいという方がいれば、ぜひ応募していただけたらと思います。」

関連リンク

▼HarvestX株式会社 HP
https://harvestx.jp/

▼HarvestX株式会社 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/68367

▼HarvestX株式会社 紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=Hxu0WYIM-lc

▼HarvestX株式会社 採用ページ

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