アパートメントホテル「MIMARU」、Web3を活用した新たな旅行体験のための実証実験を開始

2024-09-192024-09-30

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2024年9月10日、大和ハウス工業株式会社より、Web3を活用した新たな旅行体験のための実証実験を同年9月17日から開始することが発表されました。

世界中の旅行者に旅前〜旅中〜旅後まで、インバウンド向けのシームレスな旅行体験の提供を目指すとのことで注目されている本プロジェクトについて考察します。

アパートメントホテル「MIMARU」、Web3を活用した新たな旅行体験へ

大和ハウスグループの株式会社コスモスイニシアおよび株式会社コスモスホテルマネジメント、株式会社UPBONDは、Web3技術を活用した新しい旅行体験の実現を目指し、2024年9月17日より実証実験を開始します。

この取り組みでは、世界中の旅行者に対して、旅行前から旅行中、そして旅行後まで、インバウンド向けにシームレスな体験を提供することを目標にしています。特に、必要なデジタル基盤の整備を進めるために、NFT会員証の検証を行う予定です。

実証実験に至った背景

観光業界ではインバウンド需要が高まっている一方で、旅行者の個人情報が各サービス提供者ごとに管理されているため、宿泊時にパスポートの確認や台帳の記入が必要となり、サービスの予約ごとに個人情報の再入力や体験前の本人確認が求められるなど、旅行者にとって不便が生じています。

そのため、旅行者の体験を旅行前から旅行後まで一貫して繋げることが難しいという課題があります。これらの問題を解決し、ホスピタリティを向上させるため、Web3技術を活用してユーザー情報や予約データを安全かつ効率的に管理し、手続きを簡素化することで、シームレスな旅行体験を提供することを目指し、実証実験を行うことになりました。

実証実験の概要について

コスモスホテルマネジメントが運営するアパートメントホテル「MIMARU」では、宿泊客の90％以上が外国人であることを踏まえ、訪日外国人家族が抱える不安や習慣の違いによる不便を解消するために「KURO-GO」サービスを開始しました。第1弾として、「MIMARU東京エリア⇄羽田・成田空港間」の手荷物当日配送サービスを提供し、荷物の多い入国・帰国時や家族連れでの電車移動をサポートしています。

今回の実証実験では、「MIMARU東京八丁堀」と「MIMARU東京 STATION EAST」に宿泊するお客さまを対象に、Web3技術を活用してNFT会員証を発行します。このNFT会員証には、荷物配送サービスの申し込みや本人確認機能、さらにパスポートの事前登録機能が含まれており、利用者にはインセンティブとしてステーブルコインが付与されます。

実験を通じて、旅行者の手続きを簡素化し、本人確認における体験価値の向上を目指すとともに、NFTやステーブルコインの受容度も検証します。

今後の計画

今回の実証実験を通じて、訪日旅行時の顧客体験を向上させるために、フライトや国内移動といった交通手段、レジャー施設や飲食店の予約との連携を強化することを目指しています。また、個々の旅行者に合わせた体験のレコメンドや、他企業のサービスとの連携、さらには会員証保有者向けのコミュニティやリファラルシステムの構築も視野に入れています。これらを通じて、訪日旅行者の全体的な体験をより良いものにすることを目指しています。

アパートメントホテル「MIMARU」について

コスモスイニシアが開発し、コスモスホテルマネジメントが運営するアパートメントホテル「MIMARU」は、キッチンやリビング・ダイニングスペースを備え、広さ約40㎡以上の客室を提供する、“みんなで泊まる”を楽しむためのホテルです。

東京、大阪、京都に27の施設を展開しており、35の国と地域から集まった多様な文化や経験を持つスタッフがゲストを迎えています。宿泊客の90％以上が外国人で、主に家族やグループでの中長期滞在が多いため、サービスの充実と利便性の向上を図り、訪日旅行者に日本での素晴らしい体験を提供しています。

手荷物当日配送サービス「KURO-GO Luggage Delivery」

「訪日外国人家族の不便解消サービス「KURO-GO」」に関するプレスリリースより

「MIMARU」では、宿泊ゲストから要望が多かった“手荷物当日配送サービス”を開始しました。

このサービスでは、「MIMARU東京エリア⇄羽田・成田空港間」で手荷物を当日配送し、入国・帰国時の荷物の多さや、子ども連れでの電車移動、観光地での滞在をより快適にすることを目的としています。手ぶらでの移動を推奨することで、街中や公共交通機関の混雑緩和にも寄与しています。

申し込みは「KURO-GO Luggage Delivery」サービスサイトで、必要な情報を入力するだけで完了します（対応言語は日本語、英語、中国語）。空港で手荷物を預ければ、滞在先の「MIMARU」まで配送され、帰国時には「MIMARU」から空港まで荷物をお届けします。大きな荷物を持ち運ぶことなく、空港と観光地を身軽に移動できるサービスを提供しています。

今後の考察

「MIMARU」の取り組みを踏まえ、NFTが今後どのように旅行業界を変革していくのかを下記します。

NFTパスポートで実現する、シームレスな旅行体験

MIMARUの実証実験では、NFT会員証にパスポート情報の事前登録機能を搭載しています。将来的には、このNFT会員証が「NFTパスポート」へと進化し、ホテルのチェックイン手続きや、航空券の予約、観光施設の入場など、旅行中のあらゆる手続きをスムーズに行えるようになる可能性があります。

ブロックチェーン技術によって、個人情報を安全に管理・共有できるようになれば、従来の紙ベースのパスポートや、煩雑なID認証手続きから解放され、旅行者はより快適で安全な旅行体験を楽しめるようになるでしょう。さらに、NFTパスポートに旅行履歴や嗜好情報などを記録することで、パーソナライズ化された旅行プランの提案や、優待サービスの提供なども実現可能となります。

NFTを活用した、地域と繋がる新たな観光体験

NFTは、地域の魅力を発掘し、旅行者と地域をつなぐ新たな観光体験の創出にも活用できます。例えば、地域限定のNFTアートを発行・販売したり、NFTと連携したスタンプラリーや宝探しゲームを開催したりすることで、旅行者の地域への関心を高め、周遊を促進することができます。

さらに、NFTの保有者に対して、地域住民との交流イベントへの招待や、地元の伝統工芸体験、特産品の割引などの特典を提供することで、より深く地域と関わることができる機会を提供できます。このようなNFTを活用した取り組みは、地域経済の活性化だけでなく、地域の魅力を再発見し、新たな観光資源を生み出すことにも繋がります。