【Web3転職・副業】UPBONDの副社長 中島さんにインタビュー | Web3ウォレットで目指す、個人に関する情報資産シェアリングの世界
今回は、DID(分散型ID)に特化したWeb3ウォレットを提供する「株式会社UPBOND」の副社長 中島さんにお話を伺いました。
本記事は、株式会社UPBONDが取り組む、Web3のテクノロジーによる「個人情報活用に関するイノベーション」に興味があるという方にぜひ読んでいただきたい記事となっています。
なお、記事後半では、UPBOND株式会社で採用を募集している「Web3事業マネージャー」や「カスタマーサクセスリーダー」のポジションについてもお聞きしていますので、ぜひチェックしてみてください。
株式会社UPBOND | 副社長、CSO兼CFO 中島 恒太さん
新卒で東日本電信電話株式会社に入社。その後、グリー株式会社を経て、2015年に株式会社コロプラに入社し、海外事業開発や人事部長として人事労務を担う。2017年10月に、株式会社ビーグリーに入社し、経営企画室長に就任。2018年11月、ドローンスタートアップの株式会社センシンロボティクスに入社し、執行役員経営管理部長としてコーポレート機能全体の総括を担当。2020年7月からUbie株式会社にてコーポレート組織の構築やIPO準備、資金調達等をリード。2021年8月に17LIVE株式会社に入社し、CEO Officeディレクターとして、IPO準備プロジェクトを始め、コーポレートガバナンスの構築や、資金調達、資本提携等の大型プロジェクトを推進。その後、2023年2月に株式会社UPBONDに入社し、副社長CSO兼CFOに就任。
中島副社長 twitter https://twitter.com/culkin_kun
株式会社UPBONDについて
2019年11月、代表取締役の水岡 駿氏により、株式会社UPBOND設立。主に「UPBOND Wallet」の開発・提供や、UPBOND Walletを活用した新規事業のローンチを支援。独自性の高いウォレット「UPBOND Wallet」を通じて、Web3.0とWeb2.0の両方の良さを併せ持ったDXを推進。「Beyond Web3.0」をスローガンに、Web2.0からWeb3.0、そしてWeb3.0のその先への移行をサポート。
株式会社UPBOND コーポレートサイト https://www.upbond.io/
水岡代表 twitter https://twitter.com/GinJapanTM
Web3テクノロジーにより、個人情報の保有者である個人が、情報提供に対する対価を受け取れる世界をつくりたい
ーーーまず始めに、株式会社UPBONDが取り組む事業概要について教えてください。
株式会社UPBOND(以下、UPBOND)では、大きく二つの事業に取り組んでいます。まず一つは「UPBOND Wallet事業」であり、もう一つは「Web3トランスフォーメーション事業」です。UPBOND Wallet事業では、「暗号資産を扱うためのウォレット」ではなく、「個人に関する情報資産を扱うということに特化したウォレット」を提供しています。これにより、個人に関する情報資産のシェアリングを可能にし、企業と生活者の関係性をアップデートすることに取り組んでいます。
また、Web3トランスフォーメーション事業では、UPBOND Wallet事業を伸ばしていくため、その一歩手前のビジネスとして、コンサルティングも行っています。これは、まだWeb3のテクノロジーのユースケースが社会に普及しておらず、ダイレクトにWeb3ウォレットを導入してくれる企業が少ないためです。そこで、まず企業のコンサルティングを行い、一緒にWeb3のユースケースを作っていくことに取り組んでいます。
このWeb3トランスフォーメーション事業の中で、様々なWeb3ウォレットの活用方法を開発し、それを土台にしてUPBOND Wallet事業をスケールさせていくことが私たちの事業戦略です。
ーーーUPBONDが目指すミッションとしては、どのような社会課題の解決に取り組んでいるのでしょうか?
私たちが解決したい課題は主に二つあります。まず、これまでのWeb2の世界では、GAFAMに代表されるような大企業がインターネットの力を使い、膨大な数のユーザーから個人に関する情報を蓄積し、それに基づいたマーケティングツールなどを提供してビジネスを大きく成長させてきました。しかし本来、個人情報の提供は、その保有者である個人が経済的メリットを享受できることが自然だと思っています。そこで、私たちはWeb3のテクノロジーを使い、この課題解決に取り組んでいるという状況です。
また、近年、世界的に個人情報の扱いに関するルールがかなり厳しくなってきています。日本国内でもそれに追随する形で個人情報保護法の改正が進み、企業側にとっても、集めた個人情報を適切に管理するためのコストがかなり膨大になってきています。この二つの課題を解決する術として、Web3の力を使いたいと思っています。
ーーーUPBOND Walletの特徴や魅力について、他社のWeb3ウォレットと比較してどのような点が異なるのでしょうか?
我々が提供するUPBOND Walletは、暗号資産も扱うことはできますが、それをメインの目的にはしておらず、あくまで「個人に関する情報資産を管理するためのウォレット」という位置づけになっています。これを活用することにより、個人が自分自身の意思で自分の情報資産を、企業やサービス、商品に対してオプトインすることができます。
これによって今までのように様々な企業の便利なサービスを受けることができます。これに加えて、本来の個人情報の保有者である個人が、情報提供に対する対価を受け取ることができるようになります。さらに企業側にとっては、個人情報保護法に対応するためのコストを抑えることができるという点で、ユーザーも企業もメリットがある形になっています。このように、Web3のテクノロジーを活用し、「個人に関する情報資産シェアリングの世界を実現」することが、UPBOND Wallet事業を通じて目指したいことです。
また、私たちの強みは、これまでお客様と一緒に時間をかけてつくり上げた「約15件のユースケース実績」があり、これはWeb3業界では大きい実績数だと考えており、ここに競合優位性があります。もし同じような観点でWeb3ウォレットを提供する企業が出てきたとしても、これまでに積み上げてきた年月を簡単には逆転できないような差が現時点でつくれていると考えています。
「UPBOND Wallet」を通じて、企業と生活者の両者にとってメリットの大きい情報資産の流通プラットフォームをつくりたい
ーーーこれまで様々な企業と業務提携をされていると思いますが、その背景や戦略的なことがあれば教えていただけますか?
UPBONDでは、生活者の個人情報を扱うビジネスに取り組んでいますが、これはとてもセンシティブなビジネスになります。個人に関する情報は扱い方が難しく、私たちのような1スタートアップが個人情報を扱うことに対する信用の問題もあります。そこで私たちは、大手企業と業務提携し、一緒に事業に取り組むことで信用力やビジネススケールの観点で、私たちにとって大きなメリットがあります。
一方で、業務提携をしている大手企業側のメリットについては、Web3という最先端の領域で何かやりたいという思いがある一方で、本業が大きすぎるため、そこにリソースを割くことができない状況となっています。そうした中で、私たちのようなWeb3事業を本業にしているスタートアップが協業をすることでスピード感を持って手足を動かし、大手企業がやりたいことを進められるところに利害関係が一致しています。
ーーーUPBONDが取り組む事業の今後の展望について、どのような未来像をイメージしていますか?
私たちが目指す姿は、UPBONDのデータプラットフォーム上で、個人に関する情報資産が流通することを実現したいと思っています。これが実現できた世界では、個人は情報資産の提供により、経済的メリットを享受できるようになります。そして、企業は今のWeb2の世界で入手できる情報よりも、もっとリッチな情報を手に入れることができると考えています。
Web2で取得できる情報は、基本的に、Webブラウザ上でのアクティビティに関する情報です。しかし、Web3テクノロジーを利用して取得できる情報は、それを大きく超え、企業活動に必要なリッチな情報を得られる状態を作ることができると考えています。
なので最終的には、「企業と生活者の両者にとって、大きなメリットのある情報資産の流通プラットフォームを作る」ことが最終的に目指す姿です。ただ、そこに一気に行くことは難しいため、足元では一定のバーティカルを定義して、その中で限られた生活者と企業の間で情報の流通が生まれていく仕組みをつくっていきたいと考えています。そして、このバーティカルをどんどん横に広げていき、最終的にはホリゾンタルなプラットフォームを目指していきます。
オフィスワークとリモートワークを組み合わせた「ハイブリッド型の働き方」の背景にある考え
ーー次に、組織体制やチームメンバーについてもお伺いしたいと思います。まず、UPBONDでは、どのような体制で事業を進められているのでしょうか?
UPBONDには、27人の正社員がいます。職種については、まず「セールスチーム」があります。私たちはWeb3トランスフォーメーション事業をやっていますので、エンタープライズに対する営業が必要です。あとは実際にサービスを導入いただいた後に、「カスタマーサクセスを行うチーム」もあります。
あとは、Web3特有のポジションとして、「コミュニティマネージャー」がいます。基本的には、ビジネスサイドの職種です。その他には、「プロダクト開発に関するチーム」があり、エンジニアや、プロダクトマネージャー、品質管理を行う担当がいます。そして、一般的な管理部門と、役員がおり、主な職種はこのような組織体制となっています。さらに、業務委託のメンバーについては、正社員よりも多く、現在35人います。
ーーー各メンバーの皆さんは、どのような働き方をされているのですか?
各メンバーの働き方は、出社とリモートワークを組み合わせた「ハイブリッド型」にしており、月・金は出社することになっています。この意図は、基本的にフレキシブルな働き方は、私たちもすごくポジティブに捉えています。しかし、これから組織を拡大していく時に、完全なリモートワークにするとオンボーディングが難しくなってきます。
これは、私がこれまで複数企業で働いてきた経験からも、完全なリモートワーク環境だと馴染むのにも時間がかかります。私がUPBONDに入社したのは、2023年2月ですが、代表の水岡の意向で、エグゼクティブメンバーは毎日出社しています。そのおかげで、他のメンバーとも早く馴染むことができました。もしこれが完全に顔を合わせることがない状態であれば、これから組織が拡大していくにつれて、その弊害が大きくなると思っています。
ーーー中島さん自身についてもお伺いしたいのですが、これまでどのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?
私は、新卒で東日本電信電話株式会社に入り、グループ会社も含めると20万人以上の社員がいる会社でキャリアをスタートしました。その後、自分のスキルアップのための転職を重ね、経営企画という職種を軸に働いてきました。
これまでの経営企画のキャリア経験では、会社の規模は始めは20万人からスタートし、次にグリー株式会社という1000人くらいのメガベンチャーに入社しました。そして、その後は少しづつ規模が小さい会社へ行き、今では約30人くらいのUPBONDで働いています。
これまで培ってきた幅広い知見やスキルを活かし、今は代表の水岡の下で副社長というポジションで、水岡と役割を明確に分けて経営を行っています。このような役割を果たせるようになったことは、これまで経営企画というポジションを突き詰めてやってきたからだと考えています。
ーーー経営企画に関するキャリア経験が豊富なんですね。中島さんが、UPBONDに入社された経緯や理由について教えていただけますか?
UPBONDに入社した理由は、前職の会社で私がCEO Officeのディレクターをしていた時に、UPBONDの代表の水岡と話をする機会がありました。その時に、Web3という新しい産業でチャレンジができることは、すごく貴重なチャンスだと考えました。
基本的にスタートアップは、新しいことにチャレンジする会社だと思いますが、これまでのビジネスや産業の延長線上で、新しいものを作り出すスタートアップが多いと思っています。Web3のように産業そのものが新しく、そもそも成立するかどうかも不透明な環境でチャレンジできる機会はなかなかないと考えており大きな魅力を感じています。私は今42歳ですが、次にそういったチャンスがいつ来るか分からない中で、「やるなら今」だと考え、UPBONDへの入社を決意しました。
【プロジェクトマネージャー/ カスタマーサクセスリーダーを募集!】UPBONDの目指す世界に「共感」してくれる人に来て欲しい
ーーー積極的に採用を募集されているポジションはありますか?
募集しているポジションは二つあり、「Web3事業マネージャー」と「カスタマーサクセスリーダー」です。プロジェクトマネージャーは、Web3トランスフォーメーション事業において、お客様の課題抽出や、ソリューションの提案をいかに論理的に作り込むことができるかが求められるポジションです。今は代表の水岡と私がそれぞれ役割分担して行っています。しかし、今後はビジネス部門のチーフが必要と考えており、各事業をしっかりマネジメントでき、自分自身も手を動かして売り上げを作っていける方を募集しています。
また、私たちは、カスタマーサクセスにも力を入れていきたいと考えています。現状は1人のメンバーとインターンの方々で何とかやりくりをしてる状態です。今後は、その辺りの専門性を持った方に担っていただきたいと考えており、今急ぎで募集を進めています。
ーーーUPBONDの社内カルチャーや、大切にしている考え方などはありますか?
まず、社内の各メンバーに求めたいことの一つは、UPBONDが目指していることに対する「共感」です。Web3業界はいつ立ち上がってくるか読めない状況であり、これから苦しい期間が長くなることも想定されます。そうなったときに、UPBONDという会社に対してシンパシーを持っている部分がないと、絶対に続かないと思っています。なので、UPBONDが目指している世界観や、カルチャーなどに「強い共感」を持っているか、というところをとても大切にしています。
二つ目は、「自己解決力」です。社員一人一人が主体的に行動し、会社の課題解決に取り組んでいかないとスタートアップは成長しないと思っています。上からの指示を待っていたり、解決方法を教えてもらうことを待つのではなく、自分から働きかけて周りを巻き込み、解決していく姿勢が必要です。このような仕事に対するスタンスは、これからも大切にしていきたいと思っていることです。
三つ目は、「率直なコミュニケーション」です。上司や部下という立場は関係なく、違うことは違うと言ったり、それぞれの立場で見えていることをフィードバックすることを大切にしています。立場に関係なくフィードバックすることや、フィードバックを受け入れて聞く姿勢は、メンバー全員が持たないといけないスタンスだと思っています。風通しがいい環境というよりは、もう一歩踏み込んだ形で、しっかり「率直なコミュニケーション」を取れる組織作りをしていきたいです。
UPBONDの副社長 中島さんから読者へのメッセージ
ーーー最後に、読者の方に向けてメッセージをお願いします。
UPBONDは、一部の超大手企業により個人情報に関する経済的メリットが搾取されているという課題を解決しようとしているスタートアップです。この課題が解決できた時、これまでとは全く異なる企業と生活者の関係性を作り出すことができると思っています。これは大きなチャレンジではありますが、やり遂げたときのインパクトはとても大きいものになります。
また、この先、次の世代にいかに良い影響を残せるか、といったことも大事だと思っており、そうした観点で、生活者と企業の関係性をアップデートすることは大きな意味があります。私たちと一緒に、社会のあり方を大きく変える取り組みに興味がある方や、UPBONDが目指す世界に魅力を感じていただける方にとっては、とても良いチャレンジの機会になると考えておりますので、ぜひご連絡をいただければ嬉しいです。
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