ウィーチャット、新AI検索機能「DeepSeek-R1」導入試験運用開始

2025年2月17日、中国の大手テクノロジー企業テンセントは、同社のメッセージングアプリ「ウィーチャット」において、新たなAI検索機能「DeepSeek-R1」の試験運用を開始したと発表した。

この新機能は、ウィーチャットの検索機能「搜一搜」に統合され、一部のユーザーに対して提供されている。

機能「DeepSeek-R1」の詳細と導入背景 

テンセントは、ウィーチャットの検索機能「搜一搜」の精度向上のため、従来から自社開発のAIモデル「混元（Hunyuan）」を活用してきた。しかし、さらなる検索体験の向上を目指し、最近新たに「DeepSeek-R1」モデルの試験導入を開始した。

新モデルは、より精度の高い検索結果を提供することを目的としており、ユーザーはウィーチャットの検索ボックス上部に表示される「AI検索」オプションをクリックすることで、DeepSeek-R1のフル機能を無料で利用できる。

特に「深度思考（ディープシンキング）」モードでは、通常よりも長時間かけて思考し、より包括的な回答を生成することが可能である。このモードは、従来のキーワード検索とは異なり、ユーザーの意図をより深く理解し、文脈を考慮した応答を行うことを特徴としている。また、検索結果の質を向上させるために、自然言語処理（NLP）技術を活用し、類義語や関連性の高い情報を統合した検索結果を提供する。

加えて、DeepSeek-R1は機械学習モデルによる継続的なデータ解析を行い、検索結果の精度を向上させる機能を搭載している。ユーザーの検索履歴やフィードバックを反映することで、個別最適化された検索結果を生成することが可能となる。これにより、一般的な検索エンジンよりもパーソナライズされた回答を提示できると考えられる。

さらに、ウィーチャット内の既存コンテンツとの連携も強化されており、検索結果として公式アカウントの記事やミニプログラムの情報を統合し、ユーザーに最適な情報を提供することができる。

ユーザーへの影響と今後の展望 

テンセントは、ウィーチャット以外のサービスにもDeepSeekの導入を検討している。具体的には、テンセントクラウドのAIコードアシスタントや仮想アシスタント「騰訊元宝（Tencent Yuanbao）」などでの活用が予定されており、ユーザーはより幅広いサービスで高度なAI機能を享受できる見込みである。

現在、この新機能が表示されていないユーザーは、テスト対象に含まれていない可能性があるため、正式リリースを待つ必要がある。試験運用により、ウィーチャットのユーザーは、より多様で高度な検索体験を期待できるだろう。