岩手県久慈市「いずみ」と岩手大学 AIを活用したインバウンド向けリメーク衣服を共同研究
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2025年2月12日、日本国内の縫製業界に関わる最新情報が公表された。
岩手県久慈市の縫製会社「いずみ」と岩手大学が、AIを活用したインバウンド向けリメーク商品の共同研究を始動する見通しで、伝統文化と地域経済の結びつきが注目される。
着物を再利用した洋服開発とAIがもたらす効率化
岩手県久慈市で長年にわたり縫製事業を手がける「いずみ」と、地域産業の技術革新に注力する岩手大学がタッグを組むことになった。両者は2025年4月から、インバウンド層に向けたリメーク衣服の試作を進める計画であり、その過程でAIの技術を本格的に導入する。
具体的には、着物から洋服へ生まれ変わる際のデザイン選定や生地の裁断工程を数値化し、最適なプロセスを導き出す狙いがあるといえる。着物は独特の柄や素材が特徴的なため、従来の製造方法では無駄が生じやすかった。
だが、AIを活用することで生地の切り取り位置やサイズを自動的にシミュレートし、生産効率と品質の両立をめざす方針だ。寿松木亨社長によれば、「海外の人たちに着物の文化を手に取ってほしい」という思いが原動力になっているという。
さらに、岩手大学の慮忻(ルウ シン)助教も「AIをデザイン、生産プロセスにも応用したい」と語っている。地元の製造拠点を活用しながら、世界に通用する新しい和装スタイルを形にする試みが着々と進行している段階だと考えられる。
インバウンド市場への期待と地域経済にもたらす波及効果
インバウンド向けの商品は増加する訪日観光客を背景に需要が拡大しつつあるが、特に若い世代の外国人は日本文化を新しい形で体験したいという要望が強いとみられる。
着物を再利用した洋服は、和の伝統を感じさせながらもカジュアルに身に着けられる点での魅力が大きい。そこにAIが加わることによって、人気の色や柄の傾向を瞬時に分析し、より洗練されたデザインの提案が期待できるようになるだろう。
さらに、生産段階でも生地ロスを減らすと同時に品質を安定させるメリットがあるため、価格面でも競争力を高めやすいのではないだろうか。
結果として、観光客の購買意欲を高めるだけでなく、久慈市を中心とした地域の雇用や経済循環につながる可能性がある。こうした流れが拡大すれば、他の地方企業にも新技術導入の機運が広がり、日本全体の繊維産業に新たな価値を与える契機になると考えられる。
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