マスク氏、1~2週間以内に発表される「Grok 3」は「すべてを凌駕する」と主張　その実力は

2025-02-14

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イーロン・マスク氏は2025年2月13日、ドバイで開催されたWorld Government Summitにおいて、新たなAIチャットボット「Grok 3」について述べた。マスク氏は「Grok 3は現時点で公開されているあらゆるAIモデルを凌駕する」として、OpenAIのChatGPTやGoogle DeepMindのGeminiを明確に競合として挙げた。さらに、1〜2週間以内の正式リリースを予告し、AI業界に新たな期待と議論を呼び起こしている。

圧倒的な学習規模と革新的な自己改善機能

Grok 3の最大の特徴は、その高度な推論能力にある。
マスク氏は「非常に強力な推論能力を持ち、予想もしなかった解決策を提示できる」と述べ、その能力の高さを強調している。xAIは自社の大規模スーパーコンピュータ「Colossus」を用いた開発により、「驚くほど賢い」対話型AIの実現に成功したという。
特に、与えられた問題に対して「確立されたアプローチ以外での解決策」を導き出せるのがユニークな点だ。

さらに、Grok 3の目玉と言える機能が、従来型AIの重要な課題を解決する独自の自己改善機能の実装だ。ChatGPTやGeminiに代表される従来のAIモデルは、誤情報や不正確な回答を出力した場合、開発元による定期的なアップデートを待つ必要があった。
Grok 3は、自身の出力をリアルタイムで監視・分析し、誤った情報を検出すると即座に修正する機能を備えている。「データが間違っていると判断した場合、その誤りを自ら認識して修正する」とマスク氏は説明している。

独自の合成データ学習手法も大きな特徴となっている。従来のAIモデルはウェブ上のデータをスクレイピングして学習を行うため、著作権問題や不適切なデータの混入といった課題を抱えていた。Grok 3では、xAIが独自に生成した高品質な合成データを使用しているためり、法的リスクを回避しつつ、より論理的で一貫性のある推論能力の獲得に成功したとされる。

未公開のベンチマークと業界からの懐疑的な声

一方で、これらの主張を裏付けるベンチマークテストは現時点で公開されていない。AIモデルの性能評価には、通常、言語理解力や推論能力を測定する標準的なベンチマークテストが不可欠だ。ほかのAIモデルの発表時には、必ずベンチマークテストによる能力の測定が行われてきた。

先述のマスク氏の発言は「内部テストの結果」に基づくものであり、第三者による検証は行われていない状況であることには注意が必要である。

性能については騒動も発生している。
xAIの元エンジニアであるBenjamin De Kraker氏が、コーディング性能に関する独自の評価をSNS上で公開し、Grok 3がOpenAIの最新モデルに及ばないとする分析を示したのである。この投稿は社内での議論を引き起こし、最終的にDe Kraker氏の退社という結果をもたらした。この一連の出来事は、Grok 3の実力に対する業界内の懐疑的な見方を象徴するものとなっている。

The ranking currently (my opinion), for code:

ChatGPT o1-pro
o1
o3-mini
(all kind of tied)

Grok 3 (expected, tbd)

Claude 3.5 Sonnet

DeepSeek

GPT-4o

Grok 2

Gemini 2.0 Pro Series (might be higher, will probably move up)
— Benjamin De Kraker (@BenjaminDEKR) February 8, 2025