LivepeerがUpbit上場発表で価格が急騰 AI動画処理技術も新発表

2025年5月30日、分散型動画処理プラットフォームのLivepeer(LPT)が韓国最大級の仮想通貨取引所Upbitへの上場発表を受け、価格が2倍以上に急騰した。翌日に発表されたAI動画処理技術も市場の期待を高めている。
LivepeerとPOKTが主要銘柄を逆転する高騰
UpbitがLivepeerの取引開始を告知したことで、強い買いが集中した。さらに同じ上場リストに含まれていたPocket Network(POKT)は6倍以上の急騰を記録し、主要銘柄が軒並み下落する中で異例の逆行高となった。
Upbitは韓国最大級の取引所として、新規上場銘柄への大規模な資金流入が定評である。今回の上場発表はLivepeerとPOKTへの注目度を一気に高め、投資家の買い圧力が集中した結果と考えられる。
加えて、翌5月31日にLivepeerが発表したAI動画処理技術の新展開も価格上昇に寄与している。Livepeerは「AI時代のオープン動画インフラ構築」を掲げ、リアルタイムのAI動画処理と分散型GPU活用を通じた革新的な動画生成技術の実現を目指すと発表した。
新技術は、ComfyUIやComfyStreamなどのツールを駆使し、テキストからの画像生成や動画変換、ライブ翻訳をライブ動画へ低遅延で適用可能にする点が特徴だ。分散型ネットワークによる高い拡張性とコスト効率を武器に、中央集権型システムに依存しない新たなAI動画アプリケーションの開発を促進する構想となっている。
Upbit上場とAI技術発表が開く成長機会と潜在的リスク
LivepeerのUpbit上場とAI動画処理技術の発表は、今後の市場での存在感を一段と高める可能性がある。韓国市場は仮想通貨投資が盛んで、Upbit上場による資金流入は短期的な価格押し上げだけでなく、中長期的なプロジェクトの評価向上につながると考えられる。
AI動画処理技術の進展は、動画ストリーミングやライブ配信など多様な分野に応用が期待され、Web3や分散型技術とAIの融合による新市場創出の契機となるだろう。特に低遅延のリアルタイム生成は競争力の源泉となりうる。
一方で、技術の成熟度や実用化のスピード、競合他社の動向など不確定要素も少なくない。AI動画分野は激しい技術革新の場であり、持続的な開発投資や市場ニーズの変化に柔軟に対応する必要がある。
また、仮想通貨市場特有の価格変動リスクも無視できない。今回の価格急騰は上場発表に起因する一時的な買いによる面が大きく、今後の市場動向や実績によっては調整局面も想定される。
それでも、Upbit上場と先進AI技術の発表はLivepeerのブランド力を大きく高め、Web3やAIの融合が進む未来において重要な成長機会と評価できる。