福島・郡山市の専門学校とAI開発企業が連携 東北初の協定で人材育成を加速

2025年5月29日、福島県郡山市で専門学校を運営するFSGカレッジリーグと、AI教材開発を手がける株式会社dottが人材育成に向けた連携協定を締結した。
東北地方でAI企業と専門学校が包括的に協力するのは初の事例である。
生成AI活用した教育プログラムを共同展開へ
FSGカレッジリーグは、郡山市内で5つの専門学校を展開する教育機関である。
今回の協定により、学科を問わずすべての学生がAIの実践的なスキルを身につけられる環境を整備する。
協定を締結した株式会社dottは、教育機関向けに生成AIを活用した教材やカリキュラムを展開する「AI STUDIO」を運営。同サービスでは、教員に対して導入前後のサポートとして、無料オンラインセミナーの開催や授業準備段階での質問・相談対応なども行っている。
今回の協定では、「AI STUDIO」をFSGカレッジリーグが運営する5校で導入する。
この取り組みは、急速に発展するAI技術に対応し、産業界が求める人材像と教育現場のギャップを埋めることを目的としている。
授業には生成AIを活用した教材を用いるほか、学生がdott社のインターンシップに参加する機会も用意される見通しで、学びと実務の接続を強化する構えだ。
地元から始まるAI教育 即戦力育成と地域活性に期待
今回の協定により、専門的な分野に限らず幅広い学生がAIの基礎から応用までを学ぶ機会を得ることになる。
文系・理系を問わずAIリテラシーが求められる時代において、地域の教育機関が先進的な企業と手を組む意義は大きい。
FSGカレッジリーグにとっては、最新の教育手法を取り入れることで、進学希望者や企業からの信頼獲得にもつながる可能性が高い。
一方、株式会社dottにとっても、現場の教育ニーズを反映した教材開発や地方人材との接点強化というメリットがある。
ただし、AI教育には機材整備や教員の理解促進といった課題も残る。
今後は教育現場の負担を最小限に抑えつつ、持続的なプログラム設計が求められるだろう。
郡山市を拠点としたこの取り組みが、他地域への波及モデルとなるか注目される。