米ストラテジーが4.2億ドルでBTC追加購入 総保有量は58万超へ拡大

2025年5月26日、米ナスダック上場のストラテジーが、約4億2,710万ドルを投じてビットコイン4,020BTCを新たに取得したと発表した。同社の暗号資産市場に対する積極的な投資方針を改めて示すものとなった。
ストラテジー、1週間で4,020BTCを新規取得
今回の購入は、5月19日から25日の期間に実施されたもので、取得単価は手数料・経費込みで1BTCあたり約10万6,237ドルにのぼる。これにより同社の保有ビットコインは58万250BTCに達した。
取得総額は約406億ドルで、1BTCあたりの平均取得額は約6万9,979ドルとされている。購入直近のビットコイン市場価格は約10万9,777ドルであるため、含み益も大きいとみられる。
今年に入りストラテジーのビットコイン利回りは累計16.8%に上昇し、短期間での積極的な買い増しが収益拡大に寄与している状況である。
なお、前回の追加購入は5月12日から18日にかけて約7,390BTCを7億6,490万ドルで取得していた。こうした連続的な買い増しは、同社の長期的なビットコイン保有戦略を鮮明に示している。
ストラテジーの買い増しが示す市場影響と今後のリスク
ストラテジーの大規模買い増しは市場に強いシグナルを送り、ビットコインの需要を押し上げる可能性が高い。これにより価格の上昇圧力がかかり、投資家心理の改善にもつながるだろう。
一方で、同社は2025年第1四半期決算で5四半期連続の赤字を計上している。主因は保有する暗号資産の未実現損失(※)による評価損だ。大量保有のリスクとして価格変動による財務負担の増加が懸念される。
今後も積極的な買い増しを継続すれば、含み益の拡大とリスクの双方が拮抗する中での経営判断が求められるだろう。市場のボラティリティが高い状況下での大規模保有は高リスク・高リターンの性質を帯びるため、投資家は注意深く動向を見守る必要がある。
※未実現損失:保有資産の評価額が購入価格を下回っている状態。まだ売却していないため実際の損失とは言えない。