Windows 11標準ツールに生成AI新機能　ペイント・メモ帳・Snipping Toolが進化

2025年5月22日（米国時間）、MicrosoftはWindows 11標準ツール「ペイント」と「メモ帳」、「Snipping Tool」の新バージョンを、Insider向けのCanaryおよびDevチャネルで公開した。
生成AIを活用した新機能が追加され、これらのツールがさらに便利に進化している。

Windows 11標準ツール、生成AIを搭載した新機能が登場

Microsoftは最新のWindows 11 Insider（※）向けアップデートで、ペイント、メモ帳、Snipping Toolに新たな生成AI機能を導入した。
ペイントには「Sticker Generator」と「Object select」という新機能が追加され、ユーザーはプロンプト入力でカスタムステッカーを作成したり、特定の要素を強調表示することができるようになった。
これらの機能はCopilot PC+準拠のPCで利用可能となる。

メモ帳では、生成AIによるテキスト作成機能が新たに搭載された。
ユーザーはプロンプトを入力することで新規テキストを生成したり、既存のテキストを変更または追記できるようになった。
この機能はMicrosoft 365のAIクレジットを消費するため、利用には注意が必要だ。

さらに、Snipping Toolには「Perfect Screenshot」機能が新たに追加され、静止画キャプチャの選択範囲を自動的に調整することができる。
また、カラーピッカーも搭載され、画面上の色をHEX、RGB、HSLで確認できるようになった。

※Windows Insider Program：マイクロソフトが公式に運営しているプログラム。一般提供前の Windows機能などを試すことができる。「Canary」や「Dev」といったチャンネルがある。

生成AI活用の進化がもたらす今後の展望と課題

Windows 11の標準ツールに搭載された生成AI機能は、ユーザーの作業効率を大きく向上させる可能性がある。
ペイントやメモ帳は、単なるツールからより創造的な作業を支援するプラットフォームへと進化しており、特にクリエイティブな業務を行うユーザーには大きなメリットをもたらすだろう。

一方で、メモ帳のテキスト生成機能のように、AIクレジットを消費する形態はユーザーにとってコスト面での懸念を招く可能性がある。
また、AIにより作成・変更されたコンテンツに対して、著作権や責任の所在が曖昧になりつつある点も注視すべき課題だ。

今後、これらのツールが普及すれば、MicrosoftのAI技術は日常的な業務の中でますます広く活用されるようになるだろう。
しかし、ユーザーの負担を軽減するためには、AIクレジット消費に関する明確な指針や、AI機能に対する透明性の向上が求められる。