AIが株を選ぶ架空アプリで400万円詐取 青森の60代男性が投資詐欺被害

2025年5月22日、青森県警弘前署は、県内在住の60代男性がSNS経由の投資詐欺で400万円をだまし取られる事案が発生したと発表した。
人工知能(AI)をうたう偽アプリに誘導され、LINEでのやりとりを通じて複数回にわたり振り込みが行われたという。
「AIが株を選ぶ」と偽り現金詐取 動画経由でLINEに誘導
被害に遭った男性は3月下旬、動画共有サイトYouTubeに自称「個人投資家のテスタ」が投稿する動画の概要欄に記載されていたURLからLINEアカウント「テスタ」を登録。そのアカウントから「田村美奈」というLINEアカウントに誘導され、やりとりを開始した。
田村は、AIが株価の上昇銘柄を自動的に予測するという架空の投資アプリ「Head tec」の利用を勧めた。
男性は4月20日から5月12日にかけて、計4回にわたり指定された個人口座へ計400万円を振り込んだ。画面上では購入した株に利益が出ているように見えたが、実際には資金は詐取されていた。
その後、さらなる投資を求められ金融機関の窓口を訪れた際、職員から「詐欺の可能性がある」と指摘され、ようやく被害に気付いたという。
AI活用を装う新型詐欺が拡大 情報リテラシーの強化急務
今回の事案は、AIや投資アプリを装った新たな手口の詐欺として、今後の再発防止策が求められる。
AIという最新技術の信頼感を逆手に取り、被害者の警戒心を緩めて資金を巻き上げる手法は、特に高齢層にとって危険性が高い。
SNSや動画プラットフォーム、LINEといった日常的なサービスを入り口にした詐欺は、身近であるがゆえに見抜きづらく、全国的に同様の被害が拡大する可能性もある。
警察や金融機関は、AIや投資情報をうたう広告やメッセージに安易に反応せず、第三者への相談を呼びかけている。
今後は、AI時代における情報リテラシーの啓発と、金融教育の強化が急務だといえる。