UUUMが「TikTok Shop」支援を本格始動 動画運用や販売、クリエイター育成まで一括支援

2025年5月20日、動画クリエイター支援事業を展開するUUUMは、TikTokのEC機能「TikTok Shop」対応のコマース支援サービスを開始すると発表した。日本国内での導入に向け、運用代行から販売支援、クリエーター育成までを一手に担う体制を整える。
UUUM、TikTok Shop支援でEC領域に本格参入
UUUMは、TikTokが展開を予定するEC機能「TikTok Shop」に対応した支援サービスを打ち出した。ショート動画アカウントの運用代行やライブコマース制作、さらに所属クリエーターによる商品紹介・販売活動のサポートを提供するという。
同社はすでに多数の人気YouTuberやTikTokerを抱えており、その動画制作ノウハウとキャスティング力を武器に、EC領域での新たな収益基盤を築こうとしている。
特に注目されるのが、「TikTok Shop」上で展開されるアフィリエイト機能だ。これは、クリエーターが商品を紹介し、視聴者が購入に至った際に成果報酬を得られる仕組みである。視聴者は、動画やライブ配信を通じてその場で購入できる仕組みとなっている。
こうした流れに対応し、UUUMは単なる運用代行にとどまらず、クリエーター教育や販促戦略の立案まで統合的に支援する体制を構築。動画経由の購買促進を狙うブランドに対し、効果的な販売チャネルとしてのTikTok活用を提案していく。
動画×販売が変える購買体験 広がるショートコマースの可能性
UUUMの新戦略は、EC市場における動画活用の進化を象徴する動きだ。ショート動画を通じたライブ販売や商品レビューは、従来の静的なECサイトと比べ、視覚的かつ感情に訴える訴求力を持つ。この「ショートコマース」は、Z世代やミレニアル層を中心に急速に浸透しつつある。
特にTikTokは、アルゴリズムによる強力な拡散力と、視聴者の購入行動を誘導するインターフェースを併せ持つ。そこにUUUMの制作力とインフルエンサー網が加われば、企業にとっては高精度なターゲティングと販促が同時に可能となる。
一方で、過度な宣伝表現や誤情報の拡散といったリスクも孕んでおり、今後はプラットフォーム側の規制対応や透明性の確保が重要になる。
UUUMのような中間支援事業者の役割は、単なる代行にとどまらず、コンプライアンスや倫理面での担保にも及ぶ可能性がある。
今後、TikTok Shopが本格的に始動すれば、日本のEC市場は新たな段階へと突入することになりそうだ。