NVIDIAの最新技術「DLSS 4」が急拡大 対応ゲーム125本超で普及加速

2025年5月19日、米NVIDIAは、独自のAI超解像技術「DLSS 4」に対応するゲームタイトルが125本を超えたと発表した。1月末から約4カ月で50本増加しており、DLSS 3の普及ペースを大きく上回る。
高性能GPUとの連携により、ゲーミング体験が新たな次元に突入しつつある。
DLSS 4の対応タイトルが急増 フレームレート最大8倍に
NVIDIAが展開する「DLSS 4(Deep Learning Super Sampling 4)」は、AIによるマルチフレーム生成技術を用いてフレームレートを最大8倍に向上させる次世代超解像システムである。従来の描画フレームに対し、最大3つの補完フレームを生成することで、滑らかで高精細な映像体験を実現する。
2025年1月末には75タイトルにとどまっていたDLSS 4対応ゲームが、わずか数カ月で125本を突破。DLSS 3の普及に2年かかったのに対し、DLSS 4は数カ月で同等の成果を上げた。
今回新たに対応が発表されたのは、「Crimson Desert」や「F1 25」など注目の11タイトルである。
また、今後は「NARAKA: BLADEPOINT」(5月22日)や「DOOM: The Dark Ages」(6月)などが、最新のパストレーシングとDLSSレイリコンストラクションにも対応予定だ。
高画質と高フレームが両立へ PCゲーミング市場の再活性化も
DLSS 4の進化は、単なる画質向上にとどまらず、PCゲーム市場全体に波及する可能性がある。特に注目されるのは、GeForce RTX 50シリーズとの組み合わせにより、4K以上の高解像度環境でも高フレームレートを維持できる点だ。これにより、高性能PCへの需要が再び活発化する可能性が高い。
一方で、AI補完によるフレーム生成の安定性や遅延への懸念が考えられる。特に競技性の高いeスポーツ分野では、フレーム生成がプレイに与える影響を精査する必要があるだろう。
ただし、パストレーシング(※)やDLSSレイリコンストラクションの併用によって、照明やシャドウ表現の品質も向上しており、今後は映画的な演出を持つゲームタイトルにおいてDLSS 4の活用がさらに進むと予測される。
※パストレーシング:光の経路を物理的に追跡することで、リアルな照明・反射・影を再現するグラフィックス技術。レイトレーシングの発展系として高い演算能力を要する。