CryptoGames、CG Ventures設立でWeb3・トレカ市場に新たな風を吹き込む

2025年5月14日、ブロックチェーン関連企業であるCryptoGamesが、新たなコーポレート・ベンチャー・キャピタル「CG Ventures」の設立を発表した。Web3およびトレーディングカード(トレカ)領域への投資拡大を目的としており、Web3業界における資本戦略の転換点となりそうだ。
Web3とトレカへの本格投資 CryptoGamesが描く成長戦略
ブロックチェーンゲーム「クリプトスペルズ」で知られるCryptoGamesが、新たな企業内ベンチャー「CG Ventures」の設立を公表した。
これまでにWeb3領域のスタートアップ17社に投資してきた同社は、今後はトレーディングカード分野にも積極的な資金投入を図る方針だ。
CG Venturesの投資対象は、CryptoGamesとの事業シナジーが見込まれるWeb3関連およびトレーディングカード関連のプロジェクトに絞られている。特に、技術革新が急速に進むシード期やアーリー期のスタートアップに焦点を当て、株式への直接投資という形式を取ることで、資本と経営支援を両立させる仕組みを整えている。
CryptoGamesは、2019年に「クリプトスペルズ」をリリースし、クラウドセールで900ETH(当時の国内最高記録)を調達。以降も、ブロックチェーンゲーム特化型レイヤー「TCG Verse」やNFTトレカを販売する「TCG STORE」の展開を進めており、ゲームとNFT領域の両輪で着実に実績を積み上げてきた。
このような土台の上に構築されたCG Venturesは、業界全体に対しても大きなインパクトを与える可能性がある。
活況のトレカ市場とWeb3の融合 拡大する投資機会と業界への波及効果
トレーディングカード市場は、ここ数年でデジタル化が進み、NFT技術との融合によって新たなビジネスモデルが続々と誕生している。特に日本国内では、従来のコレクター層だけでなく、投資対象としての関心も高まっており、Web3技術との相性の良さが際立つ領域となっている。
Web3全体の市場もまた、分散型金融(DeFi)やDAO、GameFiといった多様なユースケースが出現し、黎明期を脱して急速な商用化フェーズに突入している。
そのなかで、初期段階のプロジェクトに対していかにリスクを取りつつ支援できるかが、ベンチャー投資家の力量を問う重要な要素となる。
こうした中、CG Venturesのような事業会社発のCVCが新興市場に与える影響力についてますます注目が集まるだろう。単なる資金提供にとどまらず、CryptoGamesが持つWeb3分野の開発力やユーザー基盤を活用したハンズオン支援が可能であるため、投資先にとっても「成長支援パートナー」としての価値が高いと考えられる。
今後、CG Venturesの動きが活性化すれば、国内Web3およびトレカ関連のスタートアップに新たな成長機会が生まれることは間違いないだろう。
Web3エコシステム拡大に向けた起爆剤として、今後の投資動向に注目が集まりそうだ。