国家ビットコイン準備金は「検討段階にない」と平井議員が明言 政府の慎重姿勢を強調

2025年5月16日、自由民主党政務調査会デジタル社会推進本部の本部長である平井卓也議員は、国家ビットコイン準備金の導入について「現時点で検討していない」との見解を示した。
この発表は「デジタル・ニッポン2025」プロジェクトの一環として行われたものであり、日本政府のデジタル通貨政策に対する慎重な姿勢を改めて浮き彫りにした。
平井議員「国家ビットコイン準備金は未検討」 デジタル政策との距離感を明確化
自民党が推進する「デジタル・ニッポン2025」は、日本の経済成長を支えるデジタル基盤強化を目的とする国家プロジェクトだ。
その一環として、ビットコインを国家準備金に組み入れる計画は現時点で存在しないと平井卓也議員が発表した。
同氏は、「ビットコインは非常に安定した資産であることは間違いない」と述べた一方、「国家として買い上げるか、保有資産に組み込むかどうかは、また別の次元の議論」と明言した。
また、平井議員は円建てステーブルコインの流通について、「極めて具体的かつ重点的に取り組むべきと考えている。ドル建てのステーブルコインだけが流通するような事態は、決してあってはならない」と述べた。
円建てステーブルコインの普及には前向きであることがうかがえる。
国家ビットコイン準備金は否定、円建てステーブルコインで主権強化か 日本の展望と課題
日本政府が国家ビットコイン準備金の導入を「検討していない」と明言したことは、経済の安定性を重視する姿勢を国内外に示す効果がある。
さらに、平井議員が強調した「円建てステーブルコイン」への注力は、日本経済の主権を守る上で戦略的な意味を持つだろう。
一方で、「国家ビットコイン準備金」を即座に否定したことで、デジタル資産領域における日本の出遅れ感が改めて浮き彫りになった側面も否定できない。
今後、日本政府が国家ビットコイン準備金を本格的に検討する可能性は、短期的には低いと考えられる。
一方で、円建てステーブルコインの推進については、平井議員の発言からも明らかなように、政治的な優先事項として位置付けられている。
政府と民間が連携し、実証実験や法整備を段階的に進めていくことで、2030年前後を目処に、「デジタル円」や「日本版ステーブルコイン」が流通する環境が整う可能性は高いだろう。