マイクロソフト、Windowsに新機能「Hey, Copilot!」を導入 音声でのAI呼び出しが可能に

2025年5月14日、マイクロソフトは、一部のWindows Insider向けにCopilotアプリの新機能「Hey, Copilot!」の提供を開始した。Windows上で音声コマンドによってAIアシスタント「Copilot」を呼び出せるウェイクワード対応機能である。
「Hey, Copilot!」による直感操作
マイクロソフトがWindows Insiderプログラムの英語版ユーザー向けに試験導入した「Hey, Copilot!」機能は、音声でAIアシスタントCopilotを呼び出すウェイクワード方式を採用している。
Appleの「Hey, Siri」やGoogleの「OK, Google」に似た形式で、PCがオンラインかつロック解除状態にある時のみ機能する。
ユーザーは設定画面からこの機能を有効化する必要がある。初期状態では無効となっており、任意でオンにする設計だ。
ウェイクワードの検出はデバイス内で完結し、録音や恒常的なデータ保存は行われない。
音声は一時的に10秒間だけバッファとして処理され、フレーズ「Hey, Copilot」が認識された場合のみ必要最小限の情報がクラウドへ送信される仕組みとなっている。
プライバシー保護に配慮した構造であり、セキュリティ上の懸念を抑制する意図が読み取れる。
現時点での対応言語は英語に限定されており、日本語を含む他言語への展開は今後の動向に注目が集まる。
多言語対応と機能拡張の展望
「Hey, Copilot!」の導入によって、WindowsにおけるAIアシスタントとのインタラクションが音声ベースでより直感的になったことは、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与する。
特に、手を使わずに作業補助を得られる点は、アクセシビリティの観点でも評価できるだろう。
一方で、現時点では英語環境のWindows Insiderユーザーのみに限定されており、多言語ユーザー、特に非英語圏の一般消費者にとっては恩恵が薄い。
また、デバイスがオンラインかつロック解除状態であることが利用条件であるため、セキュリティや運用環境によっては実用性に制限が生じる可能性もある。
企業としても、音声アシスタントのUX(ユーザー体験)を磨くことは競争優位性につながる。
マイクロソフトが今後、より多くのユーザーがこの機能に触れられるようローカライズを進めるかどうかが、普及の鍵を握るだろう。