バンス副大統領、Bitcoin 2025で基調講演へ 「Code+Country」テーマに

2025年5月10日、バンス米副大統領が5月27日から29日にラスベガスで開催される世界最大級のビットコインカンファレンス「Bitcoin 2025」にて、基調講演を行うことが発表された。
バンス副大統領が語る「Code + Country」 米国仮想通貨政策の未来像
バンス米副大統領の基調講演は、「Code + Country」と題されたプログラムトラックで数万人の参加者を前に行われるという。仮想通貨専門メディアBitcoin Magazine(ビットコインマガジン)のチャンネルを通じ、世界中に配信される予定だ。
講演タイトルが示す通り、バンス氏の発言はコード(技術)と国家(政策)の交差点をテーマに据えている。特にビットコインの持つ革新性、金融主権、そして米国の未来における戦略的役割に焦点を当てる構成だという。
トランプ大統領が昨年同イベントで講演して以降、仮想通貨界における政界の関与はさらに加速しており、今回の登壇もその延長線上にあると見られる。
バンス氏は元ベンチャーキャピタリストであり、オハイオ州上院議員時代からビットコインに強い関心を示してきた人物だ。
2021年の財務開示では、10万〜25万ドル相当のビットコインを保有していた事実も判明している。規制強化の動きが進む中でも、オープンソースマネーの価値を擁護し続ける姿勢は一貫しており、今回の講演はその思想の集大成とも言える。
さらに本イベントには、ルミス上院議員やデイビッド・サックス仮想通貨特命官、ボー・ハインズホワイトハウス政策担当局長、さらにはトランプ氏の長男ドナルド・Jr氏と次男エリック氏といった、仮想通貨支持派の要人が多数登壇予定だ。
仮想通貨支持を明確化するトランプ陣営 Bitcoin 2025の影響力と今後の展望
今回の「Bitcoin 2025」は、単なる仮想通貨の技術イベントにとどまらず、米国の政治とビットコインが交差する象徴的な舞台となりつつある。
過去数年間で、トランプ政権はビットコイン準備金の設立やデジタル資産の備蓄、仮想通貨関連法案への署名など、業界にとって前向きな施策を打ち出してきた。
その結果、米国内の暗号資産業界は安定した法的基盤の構築へと動き出しており、バンス副大統領の講演もその流れを加速させる契機になる可能性が高い。
一方、規制の動向にも注視が必要だ。米国証券取引委員会(SEC)による仮想通貨の有価証券認定や、ステーブルコイン規制の強化といった議論は継続しており、政策の方向性によっては業界にとって大きな影響を与えることになる。
市場関係者にとって、Bitcoin 2025で発せられる政治的メッセージは、投資判断に直結するファクターとして重要視されるだろう。
加えて、最近の仮想通貨市場ではビットコインの価格が再び上昇基調にあり、半減期(※)やETF承認の話題も後押し材料となっている。
こうした中で開催される「Bitcoin 2025」は、グローバルな市場心理を左右するイベントとして、かつてない影響力を持つことになりそうだ。
※半減期:ビットコインの新規発行枚数が4年に1度半分に減少するタイミングのこと。供給の減少が価格上昇を引き起こす要因とされる。