Trip.comがAIで海外旅行を一変 TripGenieにリアルタイム翻訳機能

2025年5月8日、Trip.comはAIトラベルアシスタント「TripGenie」に、14言語以上に対応したリアルタイム翻訳機能を追加したと発表した。音声認識と字幕表示を組み合わせ、海外旅行中の言語の壁を大きく低減する機能で、旅行体験の質を変える可能性がある。
旅行中の言語障壁をAIで打破 「TripGenie」が提供する翻訳体験の革新性
Trip.comが発表した新機能は、旅行中のコミュニケーションの課題をAI技術で解決することを目的に設計されている。
「TripGenie」に搭載されたリアルタイム翻訳機能は、音声認識技術を用いて会話を即座に翻訳し、その場で相手の言語に変換して表示する。
これにより、たとえばレストランでの注文や観光案内といった場面で、言葉が通じず困るといった状況を避けることができるようになる。
対応言語は、日本語・英語・中国語(簡体字/繁体字)・韓国語・広東語・ドイツ語・イタリア語・フランス語・スペイン語を含む14言語以上に及び、主要な旅行先をカバーする設計だ。さらに、アプリの通話や他の画面に切り替えた場合でも、翻訳が中断された位置から再開できるスマート割り込み機能が備わっている。
加えて、動的サブタイトル表示も実装されており、音声で行われた会話内容は即座に画面に字幕として表示される。過去の会話履歴もスクロール操作で遡れるため、会話の流れを逃す心配がない。
長時間の利用や、複数のやりとりが発生する場面でも実用性は高いと思われる。
旅行業界の競争激化とAI活用の未来 Trip.comの戦略が示す次の潮流
AIによるリアルタイム翻訳機能は、旅行業界全体のデジタルシフトを加速させる動きの一端である。
今回のTrip.comの動きも、競合他社との差別化を図ると同時に、旅行者のストレス軽減と体験価値の最大化を狙ったものであると捉えられる。特に、現地の人々との自然なコミュニケーションを重視する個人旅行者層に対しては、大きな訴求力を持つだろう。
一方で、AI翻訳の精度や文化的ニュアンスの理解には限界も残されており、誤訳や不自然な表現を生む可能性への懸念もある。だが、通訳が不要になるレベルまで翻訳精度が向上すれば、旅行だけでなくビジネス出張や多言語カスタマーサポートの分野でも大きな影響を及ぼすことが予測される。
Trip.comは今後もAI活用の範囲を広げる方針を打ち出しており、パーソナライズされた旅程提案や、リアルタイムの予約変更対応なども視野に入れている。
AIの進化が旅行業界のUX設計そのものを変える未来は、そう遠くないのではないだろうか。
Trip.com 公式
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