マイクロソフト、AI機能強化のSurface ProとLaptop最新型発表

マイクロソフトは2025年5月6日、AI機能を強化した次世代「Copilot+ PC」の新モデルとして、13インチのSurface Laptopと12インチのSurface Proを正式発表した。発売は5月20日を予定しており、いずれもSnapdragon X Plusを搭載した薄型・高性能モデルとなる。
薄型・軽量で長時間駆動、AI統合で直感的な操作性を実現
今回発表されたSurface LaptopとSurface Proは、AI時代に対応するCopilot+ PCシリーズの中核として位置づけられている。
いずれのモデルにもSnapdragon X Plusプロセッサーが採用されており、マイクロソフト独自のAI機能である「Recall」や「Click to Do」といったユーザー支援機能を活用できる設計となっている。
13インチのSurface Laptopは、高精細フルHDタッチスクリーンを搭載し、最大23時間の動画再生が可能な大容量バッテリーを内蔵。Snapdragon X Plusプロセッサーと、同プロセッサーが内蔵する45TOPS(兆回/秒)のNPU(※)により、従来モデルやMacBook Air(M3)を上回る処理能力を実現するという。
メモリーは16GB、ストレージは256/512GBの構成で、価格は899ドルからとなっている。重さはわずか1.22kgと、携帯性も高い。
一方、12インチのSurface Proは、タブレットとノートPCの両立を可能にする2-in-1デバイスとして設計されている。
調整可能なキックスタンドと取り外し可能なキーボードが特徴で、価格は799ドルからだ。重さは686gと軽量で、出先での作業にも適している。
こちらも16GBメモリー、ストレージは256/512GBで展開される。
※NPU(Neural Processing Unit):AI処理に特化した専用チップ。CPUやGPUよりも効率的に機械学習タスクを実行できるため、省電力かつ高速なAI機能の実装が可能になる。
Copilot+戦略の主軸へ 市場シェア拡大なるか
今回の新モデルは、AppleのMacBook Air(M3搭載)を意識した性能設計と価格戦略が随所に見られる。
Copilot+ PCシリーズ全体におけるマイクロソフトの戦略は、単なるハードウェアの刷新にとどまらず、AIをOSレベルで統合することで、Windows環境そのものの進化を狙っている点に特徴がある。
RecallやClick to Doのような機能が普及すれば、ユーザーの操作習慣そのものが変化し、AI主導のワークフローが今後のスタンダードとなる可能性もある。
とはいえ、WindowsとSnapdragonの組み合わせに対する互換性やアプリ最適化の課題は依然として残るため、本格的な市場定着には時間を要する可能性がある。
だが、環境配慮型のデザインとAI支援機能を組み合わせた今回のSurfaceシリーズは、確実に次世代PCの基準を塗り替える第一歩と言えるだろう。