Googleが「AI Mode」をアップデート、視覚カードと履歴機能を追加

米Googleは2025年5月1日、検索体験を革新する「AI Mode」のアップデートを発表した。視覚カードと履歴機能が新たに加わり、旅行計画や買い物、学習の場面でユーザーの利便性が大きく向上する内容となっている。
視覚カードと履歴で広がる、AI活用型検索体験の進化
Googleは検索の未来を見据えた取り組みとして、「AI Mode」の機能拡充に乗り出した。2025年5月1日に発表された最新アップデートでは、情報表示の視覚化と検索履歴の活用が柱となっている。従来のテキスト中心の検索から脱却し、より直感的かつ継続的な体験が可能になった。
「AI Mode」は、検索エンジンとしてのGoogleと生成AIの技術を組み合わせたハイブリッドな機能であり、ユーザーの質問に対して自然な会話形式で回答する点が特徴だ。旅行や買い物などの複雑な検索ニーズにも対応し、文脈を理解しながら多角的な情報を提示する。
今回追加された視覚カードは、商品やサービス、観光地などの情報を画像付きで表示し、クリック一つで詳細にアクセスできるよう設計されている。これにより、ユーザーは検索結果をスクロールすることなく、視覚的に直感で選択しやすくなる。
また履歴機能の導入は、検索内容の再利用を可能にした。
ユーザーが過去に行った検索にアクセスし、再度そのトピックについて質問を投げかけることができるため、長期的なリサーチや学習において有効性が高まる。調査の蓄積や比較検討を重視するユーザーにとって、大きな支援となるだろう。
ユーザー視点での評価と、今後のAI統合戦略への布石
Googleは今回のアップデートにおいて、「AI Mode」を限定機能から一般利用可能な形に移行させた。これまで「Google Labs」内での順番待ちが必要だったが、米国内では即時利用が可能になり、検索のAI化が本格的に進んだと言える。
Googleは今後も、ユーザーから得たフィードバックをもとにさらなる機能改善を行うと見られており、「AI Mode」を核とした検索体験の再構築を推進する可能性が高い。
検索結果の自動整理や、他のGoogleサービス(GmailやGoogle Mapsなど)との統合も視野に入れていると考えられ、AIが自然に生活へ溶け込む未来が現実味を帯びてきた。
この動きは、AIを巡る各社の競争が激化する中で、Googleが再び検索分野の主導権を強化する試みでもある。生成AIの技術進化と共に、検索という日常的な行為自体が、ますます人に寄り添うものへと進化していくだろう。