LINE Mini Dappのレイヤー1ブロックチェーン「Kaia」、ブロックチェーンVCから資金調達 ステーブルコイン計画も明らかに

2025年4月30日、レイヤー1ブロックチェーン「Kaia」が、複数のブロックチェーンVCからの資金調達および戦略的パートナーシップ獲得を発表した。
LINE Mini Dappを支える「Kaia」、急成長の裏にある基盤技術と資金調達の狙い
LINE NEXTが開発したレイヤー1ブロックチェーン(※1)「Kaia」は、LINE Mini Dappの中核インフラとして機能している。
2024年3月にサービスを開始したLINE Mini Dappは、わずか1ヶ月で3500万人ものユーザーを獲得し、その勢いはアジア市場でのWeb3普及を牽引するレベルに達している。この急速な浸透の裏には、Kaiaのスケーラビリティと信頼性が存在している。
Kaiaの役割は、単なるブロックチェーン基盤にとどまらない。ユーザーが利用するMini Dapp群を通じて、ゲーム、エンタメ、決済といった多様なWeb3体験を提供するエコシステム全体を支えている。
特にLINEという大規模なメッセンジャー基盤との統合は、従来のブロックチェーンアプリにはなかったユーザー導線を生み出している。
こうした背景のもと、Kaia財団は2025年4月30日に資金調達を実施したと発表した。
調達額自体は公表されていないが、出資に参加した複数のブロックチェーンVCは、アジア市場のWeb3拡大に強い関心を寄せているとみられる。
またKaia財団は、Kaiaネットワーク上で米ドル建てステーブルコイン(※2)を展開する「Stablecoin Summer」プロジェクトを進行中だという。
リリースでは、「多様な決済手段が共存するハイブリッド型のWeb3決済エコシステムの構築を目指し、Kaiaを『アジアのデジタル・ドル・ゲートウェイ』として確立していく」としている。
※1 レイヤー1ブロックチェーン:最も基本的な階層に位置し、他のアプリケーションやプロトコルが直接動作する土台となるブロックチェーンを指す。
今後の展望
Kaiaは今後、LINE Mini Dappと連携しながら、アジア圏を中心としたWeb3ユーザーの獲得をさらに進めると見られる。メッセンジャーアプリという日常的なプラットフォーム上でDappを利用できる点は、他のブロックチェーンプロジェクトにはないアドバンテージであり、ユーザー層の拡大とサービス多様化が見込まれる。
「Stablecoin Summer」については、アジアにおけるデジタル・ドル流通の起点を目指す戦略とされていることから、法定通貨と連動した決済手段の需要増に応じて影響力を強めていく可能性がある。
ただし、各国の規制当局との調整が難航すれば、プロジェクトのスケジュールや内容の変更もあり得るため、進捗には注視が必要だ。
総じて、Kaiaの動きは、メッセンジャーアプリとブロックチェーン技術の融合がもたらす新しいUX(ユーザー体験)を提示しつつある。その成果が持続的な成長につながるのかに注視したい。
※2 ステーブルコイン:暗号資産の一種で、米ドルなどの法定通貨に連動するよう設計されており、価格変動の少ない安定した通貨としての利用が可能。
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