メタプラネット、ベイリー氏を招聘 ビットコイントレジャリー事業強化へ

2025年4月30日、東京都に本社を置く株式会社メタプラネットは、ビットコイン・マガジン親会社BTC Inc.のCEOでありビットコイン業界の著名人であるデイビッド・ベイリー氏を同社のストラテジック・ボード・オブ・アドバイザーズにに迎えたことを発表した。
ビットコイントレジャリー事業の加速を狙い、戦略的布陣を強化する狙いだ。
ビットコイン業界の著名人を招聘
ベイリー氏の加入は、メタプラネットが推進中のビットコイン蓄積と金融商品開発を加速させる契機となりそうだ。
ビットコイン・マガジンの親会社BTC Inc.のCEOとして知られるベイリー氏は、2012年から一貫してビットコイン教育の推進、企業による導入支援、金融イノベーションの啓発に関与してきた。
特に、同氏が手がけたビットコイン・マガジン(※)は現在、世界最大級の暗号資産専門メディアへと成長。あわせて開催されるカンファレンスも、業界を代表するグローバルイベントへと拡大している。
今回の人事により、メタプラネットはビットコイントレジャリー事業の進展に一層の現実味を加えることになる。
代表取締役のサイモン・グロヴィッチ氏は、ベイリー氏の参画について「ビットコインコミュニティへの比類なき貢献、世界規模でのビットコイン教育の推進、企業によるビットコイン導入に対するビジョンは、メタプラネットが世界有数のビットコイントレジャリー企業へと加速していくうえで、極めて大きな力となる」と述べた。
メタプラネットは2024年12月にビットコイントレジャー事業へ参入し、同時にビットコイン・マガジン・ジャパンの独占運営権を取得していた。
ベイリー氏自身も「ビットコインを資本市場に広げていくことは、世界的な普及に向けた最重要フロンティアの一つ」「メタプラネットは、その最前線に立っている。この旅路に参加できることを大変嬉しく思う」と語っており、その意欲は明白だ。
今回の決定により、メタプラネットは長期的な株主価値の創出を目指しているとみられる。
※ビットコイン・マガジン:
2012年創刊の暗号資産専門メディアで、現在はBTC Inc.が運営。教育的記事から技術解説、業界動向まで幅広くカバーし、世界的な影響力を持つ。
メタプラネットの戦略の行方は
今回の人事は、メタプラネットの次なる展望を映し出す鏡とも言える。
日本国内では企業によるビットコイン保有はまだ限られており、規制環境の不透明さや市場理解の差が参入障壁となっている。
その中で、同社があえてリスクを取って戦略的な投資を行う背景には、暗号資産による資産形成への布石が透けて見える。
特に、ベイリー氏の参画により、今後はグローバル投資家や金融関係者との接点が強化され、国内外での注目度が一段と高まる可能性がある。
ベイリー氏が築いてきたネットワークやメディア影響力が、そのままメタプラネットの信頼性と視認性を押し上げる効果も期待できるだろう。
一方で、急速なビットコイン市場の変動性に企業がどう対処していくのかは今後の課題となる。
資産としての安定性、法的な位置づけ、そして社内外への理解促進など、クリアすべきハードルは多い。
メタプラネットによるBTC方面の事業がどのような結果をもたらすのかによって、国内の企業の暗号資産戦略にも影響を及ぼしうるだろう。