進撃の巨人とSNPITがコラボ アニメ×Web3が示す新たなIP活用

2025年4月28日、ギグワークスの子会社GALLUSYSが、Snap to Earnサービス「SNPIT」にて「進撃の巨人」とのコラボレーションを今夏に実施すると発表した。日本発の人気IPとWeb3技術を掛け合わせたこの取り組みは、NFT活用の新たな形を国内外に示すものといえる。
限定ガチャで進撃の巨人の世界観を再現 NFTとアニメIPの融合が加速
「SNPIT」はスマートフォンカメラとNFT(※)を組み合わせたGame-Fiサービスであり、ユーザーは撮影によってポイントを獲得し、NFTカメラの性能をアップグレードすることが可能だ。
一方、「進撃の巨人」は、原作漫画発行部数が世界累計1億部を超え、アニメもグローバルに展開している超人気作品だ。そのIP力は圧倒的であり、全世界に熱狂的なファンを獲得している。
今回のコラボレーションは、エンタメIPの価値をリアルとデジタルの両軸で広げる新たな挑戦であると考えられる。
注目点は、期間限定で提供されるガチャである。
このガチャでは、アニメに登場する世界観を反映したカメラストラップやカメラスキンといった限定NFTアイテムが登場予定であり、それぞれがゲーム内で特定の機能を有するNFTとして設計されているという。
コラボの詳細やスケジュールは、SNPITの公式サイトを通じて随時発表される見通しであり、今後の続報が待たれる。
※NFT(Non-Fungible Token):ブロックチェーン技術を活用し、唯一性を証明できるデジタル資産のこと。ゲームやアート、音楽など多様な分野で活用が広がっている。
アニメ×Web3 SNPITが示すIP展開の未来
アニメIPとWeb3技術の組み合わせは、今や一時的なブームを超え、構造的な変化をもたらしつつあると考えられる。「進撃の巨人」とSNPITのコラボはその象徴と言えるだろう。
また、これは単なるコラボ商品にとどまらない。NFTという仕組みを通じて、ファンがアイテムを「所有し、育て、取引する」体験を得られることで、コンテンツへの関与度が大幅に高まるだろう。従来のグッズ販売や視聴ベースの収益に加え、「NFTの売買手数料」や「限定機能の解放」といった新たな収益源が生まれるため、IPビジネス全体のモデルを再設計する可能性を秘めている。
類似の事例として、アニモカブランズジャパンが展開する『攻殻機動隊』とのNFTコレクション「AnimeTraits」や、YOAKE entertainmentによる「七つの大罪」の名場面NFT化などが挙げられる。
いずれも人気アニメとブロックチェーンを掛け合わせた試みであり、日本が得意とするキャラクター文化をWeb3文脈に適応させる挑戦が加速しているようだ。
このような動きは、Web3技術の一般層への浸透を後押しする要因にもなり得るだろう。
特に、アニメファンがNFTを通じて作品世界に参加し、所有し、支えるという新しい関係性を築くことは、企業にとってもユーザーにとっても新しい価値創出につながるはずだ。
今後は、アニメに限らず、ゲーム、音楽、スポーツといった領域でも同様の展開が広がることが想定される。
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