メルカリ子会社のメルコイン、XRPを3つ目の取り扱い銘柄に 初心者中心の仮想通貨市場で存在感強める

2025年4月24日、株式会社メルカリの子会社であるメルコインが、仮想通貨XRPの取扱い開始を発表した。国内で初心者層を中心に成長してきた同社の動きは、仮想通貨市場に新たな波紋を広げつつある。
仮想通貨XRPの追加で3銘柄体制に 「かんたん・安心」の設計で拡大を狙う
これにより、同社が提供する仮想通貨取引はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)に続く3銘柄目となる。
取引は、銀行からのチャージ残高やメルカリの売上金(メルペイ残高)、メルカリポイントを通じて1円から購入できる仕様であり、日常的にメルカリを利用するユーザーにとって親和性が高い構造となっている。
メルコインの最大の特徴は、仮想通貨取引の未経験者を主な対象として設計されている点にある。利用者の約9割が仮想通貨の取引経験がない層で構成されており、「かんたん・安心」を掲げるサービス設計が、間口を広げる大きな要因となっている。
XRPの追加は、この「手軽に始められる」設計思想と強く結びつく。特にXRPは、決済手段としての実用性や高速な送金性能を備えており、長期的な視点で見ても利用価値が高い通貨とされる。
これにより、メルコインの利用者にとって新たな選択肢が広がると同時に、仮想通貨の普及にも寄与する可能性がある。
急拡大するメルコイン、業界No.1の新規口座開設で先行優位を確保へ
メルコインは2023年3月にビットコインの取扱いを開始して以降、成長を加速させている。2024年5月にはイーサリアムを追加し、同年12月には利用者数が300万人を突破。新規口座開設数においても業界トップの座を獲得しており、その勢いは2025年に入っても衰える気配がない。
今回のXRP追加は、初心者ユーザーにとって選択肢を広げると同時に、リスク分散の観点からも重要な意味を持つ。
複数銘柄の取扱いにより、ユーザーの関心が分散しやすくなる一方で、学びやすさや比較検討の機会も増加する。この点が、仮想通貨に対してまだ慎重な姿勢を取る国内の消費者に対する安心材料となる。
市場全体で見ると、XRPの国内取り扱いはすでに複数の取引所で進んでいるが、メルカリの巨大なユーザーベースとの接点を持つメルコインの参入は、XRPの流動性向上にも影響を及ぼす可能性がある。
特に日常的な取引と連動しやすい仕組みであることから、仮想通貨を「使う」場面がより可視化されていく流れが強まるだろう。
今後は、XRPに続く第4の銘柄の追加がいつ行われるかも注目されるが、メルコインの戦略は一貫しており、初心者をいかに取り込むかという点に焦点が置かれている。その姿勢は、今後の国内市場の拡大と成熟にも影響を与える可能性があると考えられる。