フロキとライス・ロボティクス、AIコンパニオンロボット「ミニボットM1」を共同開発

ブロックチェーンプロジェクトのフロキ(Floki)が、ソフトバンク関連企業であるライス・ロボティクス(Rice Robotics)と提携し、AI搭載コンパニオンロボット「ミニボットM1」をローンチする予定であると、2025年4月24日に報道された。
ロボティクスとブロックチェーンが融合 成長市場でフロキが描く戦略
今回の提携により発表された「ミニボットM1」は、AIを搭載したコンパニオン型ロボットであり、ライス・ロボティクスの「RICE AI」プラットフォームを基盤に開発される。
家庭内のパーソナルアシスタントや小売・医療現場でのカスタマーサポートなど、多様なユースケースを想定しており、感情認識や対話能力を備えた次世代型のスマートロボットとして位置づけられる見通しだ。
背景には、拡大を続けるAIロボティクス市場がある。
現在の市場規模は約220億ドル(約3兆800億円)とされ、2030年には1000億ドル(約14兆円)に達するとする予測もある。
こうした中でライス・ロボティクスは、エヌビディア、ソフトバンク、ドバイ未来財団といった名だたる企業を顧客に持ち、今年プレシリーズAラウンドで700万ドル(約9億8000万円)の資金調達にも成功している。
フロキがこの領域に参入する理由は明確だ。
同社が展開するTokenFiを通じて、ロボットが収集するAIデータやブランド価値そのものをトークン化することにより、ブロックチェーン上での資産流通を実現させようとしている。これは単なる共同開発ではなく、AIとWeb3を組み合わせた新たな経済圏構築への布石であると思われる。
データの民主化と資産化が加速 市場変動と今後の展望
RICE AIは、今後ロボット間での学習用データの購入・共有が可能なエコシステムを構築する計画を明らかにしている。
これは、ロボットが自身の性能を高めるために必要なトレーニングデータを自由に取引できる環境を目指すもので、AIの精度と汎用性を飛躍的に向上させるポテンシャルを秘めている。
このデータ流通基盤に、TokenFiによるトークン化技術が組み合わされることで、AIデータが経済的価値を持つ資産として流通する世界が現実味を帯びてくる。
フロキのトークン価格は、同提携発表後24時間で16%上昇しており、市場の期待感が高まっていることがうかがえる。背景には、暗号資産全体の上昇トレンドもあるが、特に実用性のあるプロジェクトに資金が集中している傾向が強まっていることを踏まえると、フロキに注目が集まっていることは間違いないだろう。
Web3とAIという2つの成長領域が交差することで、フロキとライス・ロボティクスの提携は単なる技術協業にとどまらず、次世代のビジネスモデル構築へとつながる可能性を持つ。特に企業が独自AIを構築する際など、トークン化された高品質なトレーニングデータが必要不可欠になる局面では、大きな収益機会になり得るだろう。