TwoFive、米Axurと提携しAIによるフィッシング対策をアジア太平洋全域へ拡張へ

2025年4月18日、株式会社TwoFiveは米国のサイバーセキュリティ企業Axurとパートナーシップを締結し、新サービス「PHISHNET/25 Axur」の提供を開始した。
ブランドのなりすましや情報漏えいに対応するクラウドソリューションで、今後はAPAC市場への展開も視野に入れている。
CTIでの能動的防御
近年、フィッシングサイトや偽アプリ、SNS上でのブランド名・ロゴの不正使用など、企業のブランド侵害が深刻化している。
こうした背景のもと、TwoFiveはAxur社との提携により、より広範な脅威監視と迅速な対応を可能とする新サービス「PHISHNET/25 Axur」を発表した。
両社が持つノウハウと技術を組み合わせ、国内外におけるサイバー防御の実効性を高めるサービスだ。
本サービスは、企業の認証情報やクレジットカード情報の漏えい、フィッシングに使われる偽ドメイン、社名・ロゴの不正使用などを検知・分析し、テイクダウンまでを一気通貫で行うクラウド型のCTI(※)プラットフォームである。
Axurの年間50万件超のテイクダウン実績に裏付けられた自動処理機能により、ユーザーはワンクリックで悪意あるサイトの排除を開始できる。
自動対応が困難な場合も、同社がプラットフォーマーに直接依頼し、平均9時間以内で削除を完了させている。
また、リスクレベルをスコアリングし、可視化されたチケット管理システムでステータス管理が可能となるため、対応の優先順位や進行状況を正確に把握することができる。
既存の「PHISHNET/25」と連携することで、攻撃準備段階の兆候から不正ドメインを早期に発見し、フィッシングキャンペーンの未然防止が可能になる構成だ。
※CTI(Cyber Threat Intelligence):
サイバー脅威インテリジェンス。悪意ある攻撃者の手口やインフラ、動機に関する情報を収集・分析し、防御に役立てる技術および情報群のこと。
アジアへの展望と今後の展望
TwoFiveは、2023年から展開している「PHISHNET/25」により、国内で日本語フィッシングサイトを対象とした早期検知サービスを提供してきた。
今回のAxurとの提携により、グローバルな監視ネットワークと自動テイクダウン体制を活用し、さらに一歩進んだ「能動的防御」モデルの実現を目指す。
Axurはブラジル、スペインなど計8カ国に展開済みの実績がある。TwoFiveは、今回のパートナーシップによって、Axurの技術力とネットワークを活用してAPAC地域へのサービス拡大を目指している。
ただ、対象とする市場がアジア太平洋地域に拡大するに伴い、各国の法制度やプラットフォーム規制への対応が必要になる点は今後課題になるだろう。
今後アジア太平洋地域へ本格的に展開していく中で、TwoFiveは「日本発のサイバー防御モデル」をグローバルスタンダードへと押し上げるという役割を担う。
特に、インドネシア、フィリピン、ベトナムなど、急速にデジタル化が進行している新興市場では、ブランドのなりすまし対策のニーズが急増しているため、この領域における先行者利益を獲得できるメリットは大きい。