天才エンジニア・イリヤスフィール氏が突如公開、ローカル環境で動作する動画生成AI「FramePack」に界隈が沸騰

2025年4月17日、 「ControlNet」や「Stable Diffusion」のWebUIである「Fooocus」を作ったエンジニアのイリヤスフィール氏(通称Illya)がGitHub上で公開した動画生成AI「FramePack(フレームパック)」が、AI技術者・映像クリエイター界隈で大きな話題となっている。
ローカル動作で高品質な動画生成を実現、驚異的な技術的工夫と性能とは
「FramePack」は、中国テンセントが開発した動画生成AI「HunyuanVideo」を基に再構築されたオープンソースプロジェクトである。
従来のAI動画生成は、クラウドGPUや専用の高スペック環境を必要とするケースが多かったが、「FramePack」はローカルPC、しかもVRAM6GBのNVIDIA製GPUを搭載した一般的なWindows環境でも快適に動作するという点で大きな驚きを呼んだ。
本ツール最大の特徴は、独自の「次フレーム詰め込み圧縮」ネットワーク設計にある。この技術により、生成中のメモリー消費を抑えながら推論速度を保ち、1分間・30fpsの動画を滑らかに生成することが可能となっている。
また、CUDA OOM(GPUメモリーオーバー)を回避するオプションが標準実装されており、生成中に処理が強制終了するリスクも軽減されている。
SNSでは多数の具体的な使用例も見られ、ユーザーは本ツールの完成度に驚きを見せている。
創作の自由と倫理リスクが交錯する、プロユーザー向けツール
「FramePack」は、生成工程がローカルで完結することで、商業クリエイターにとってもコストを抑えつつ柔軟な制作が可能になる点は大きい。
一方で、同ツールの倫理的リスクも指摘されている。現状、コンテンツフィルタはデフォルトで無効化されており、著作権や人物肖像に関する不適切な動画生成も技術的には可能となっている。
開発者自身もREADME内で「使用は自己責任」と明記しており、利用者には高度なリテラシーが求められる構成だ。
こうした背景を踏まえ、「FramePack」は初心者が安易に触れるにはややリスクの高いツールである一方、十分な知識と倫理観を備えたユーザーにとっては、従来不可能だった映像表現を実現する新たな武器になりうる。
「FramePack」GitHuページ:https://github.com/lllyasviel/FramePack