マイクロストラテジーとキンドリル、雪印メグミルクの統合DWHをクラウド刷新 生成AIで全社的DXを加速へ

マイクロストラテジー・ジャパンは2025年4月17日、キンドリルジャパンと共同で、雪印メグミルクの統合データウェアハウス(DWH)システムを刷新し、2025年2月に稼働を開始したことを発表した。
本システムはクラウド基盤に移行したうえで生成AI機能を搭載しており、データ活用を高度化するDXの中核として位置付けられている。
生成AI搭載の統合DWHが業務変革を推進、マイクロストラテジーとキンドリルが全面支援
雪印メグミルクは、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の一環として、2025年2月に新たな統合データウェアハウス(DWH)システムを稼働させた。
刷新プロジェクトには、マイクロストラテジー・ジャパンおよびキンドリルジャパンが技術支援を提供している。
新システムの最大の特徴は、従来のオンプレミス環境からクラウド基盤への全面移行と、生成AIの導入である。
採用されたプラットフォームは、「Teradata VantageCloud」と「MicroStrategy Cloud Environment」で、大規模なデータ処理に加え、可視化と分析を一貫して行える構成となっている。
Cloud Environmentは、新たに生成AI機能を搭載しており、専門知識を持たなくとも容易にデータの意味を抽出することができる。
物流や営業、生産、財務など多部門に分散していたデータを迅速に統合・分析できるようになり、業務の即応性と精度が大きく向上する見通しだ。
本システムは、雪印メグミルクの中期経営計画2025で掲げられた「強靭性の獲得」に基づくDX戦略を支える中核インフラである。
企業活動の多様化と市場変化が加速する中で、意思決定の根拠となるデータ活用の迅速化が不可欠とされており、今回の刷新はその解決策として導入された格好だ。
生成AIがもたらす業務効率化と戦略立案支援、データ民主化への布石
生成AI機能の搭載により、意思決定の質とスピードが飛躍的に向上し、現場レベルでの即応力や中長期の戦略立案の精度にも好影響を与えると期待される。
また、経営層だけでなく、各部門の担当者が自らデータにアクセスし活用できる「データの民主化」も進展するだろう。
今後は、データ分析と生成AIを融合させた形での活用が一層重要性を増していくと見られる。
特に、サプライチェーンの最適化や商品企画、マーケティング施策の精緻化といった領域で、データドリブンな判断が競争力の鍵を握るようになる可能性が高い。
ただし、AIと人間の役割分担については引き続き見極めが必要であり、AIに依存しすぎる運用設計では逆効果となる可能性が高い。
システム刷新を単なるIT導入で終わらせず、継続的な運用改善と人材育成を含めた「DXの文化化」が実現できるかが問われてくるだろう。