フェズ、購買データと生成AIを融合した広告支援ツールを発表

2025年4月17日、東京都のリテールメディア企業フェズが、購買データと生成AIを活用した新たな広告支援ツール「メディアファインダー／メディアプランナー」を発表した。
このツールは、広告配信のターゲティングから効果検証までを一貫して支援し、マーケティングプロセスの革新を目指すものだ。

購買データと生成AIの融合がもたらす広告戦略の革新

フェズが発表した「メディアファインダー／メディアプランナー」は、全国14の流通企業から収集した約1300万IDの購買履歴データと生成AIを組み合わせ、広告主や小売業者が経験や勘に頼らずに広告設計を行えるよう支援するツールである。

「メディアファインダー」は、購買データとメディア利用実態を突合し、特定商品の購買層と親和性の高いメディアを定量的に可視化する。これにより、広告接触率と購買率を散布図形式で表示し、実際の購買につながるメディアを一目で把握できる。

一方、「メディアプランナー」は、予算やターゲット属性を入力することで、購買とリーチの両軸で最適なメディア配分を自動的に算出する。このように、購買データと生成AIを活用することで、広告戦略の精度と効率が大幅に向上することが期待される。

フェズの代表取締役、赤尾雄司氏は、「マーケティングのルールは、購買起点に変わっていく」と強調し、すべてのマーケティングプロセスが購買データに基づいて再設計される必要があると述べている。

実際、ビタミン剤ブランドの広告施策では、購買親和性の高い層に対して広告を配信した結果、非接触層で128％、接触層で199％の購買リフト(※1)が見られた。
これは、ターゲティングの精度が高まったことを示しており、購買データを活用したマーケティングの有効性を裏付けるものである。

※1：購買リフト
広告施策によって購買行動がどれだけ増加したかを示す指標。

今後の展望

フェズが発表した「メディアファインダー／メディアプランナー」は、購買データと生成AIを融合し、広告配信のターゲティングから効果検証までを一貫して支援するツールである。

このようなアプローチは、マーケティングの精度と効率を大幅に向上させる可能性を秘めている。
今後、リテールメディア戦略(※2)において、購買データを基盤としたマーケティングの重要性はますます高まると考えられる。特に、複数の店舗をまたいだ購買行動の分析や、ターゲット属性に基づいた最適なメディア配分の自動算出など、より高度な分析が求められるようになるだろう。

また、リテールメディア戦略は今後、広告主がどの小売メディアに出稿すべきかという新たな課題を生むと予想される。
これらの課題に対応するためには、購買データと生成AIを活用したツールのさらなる進化が必要であり、その点でもフェズの取り組みは注目できる。
今後、購買データを活用したマーケティングの有効性が広く認識され、業界全体での導入が進むことが期待される。

※2：リテールメディア
小売業者が保有するメディアチャネルを活用した広告手法。