生成AIで作業依頼の記述不備を自動検出　設備管理クラウド「MENTENA」が保全業務の効率化を支援

2025年4月16日、八千代ソリューションズ株式会社（東京都台東区）は、クラウド型設備管理システム「MENTENA」に生成AI機能を新たに搭載したと発表した。
OpenAIのAIモデルを活用し、作業依頼の記述不備を自動検出することで、業務効率化と部門間連携の最適化を目指す。

生成AIによる作業依頼の校正機能で業務効率と連携性を向上

MENTENAは、設備の稼働状況や保全活動の進捗を可視化するダッシュボード、保全作業の計画と進捗を管理するスケジュール機能、日常点検や定期的なメンテナンス作業を標準化するチェックリスト機能など、多彩な機能を備えたクラウド型設備管理システムである。

今回新たに搭載された生成AI機能は、製造現場から保全部門への作業依頼において、タイトルと概要の不一致、写真の添付漏れ、不適切な表現などの記述不備を自動的に検出する。
これにより、作業依頼の差し戻しを防ぎ、対応スピードの向上が期待される。
また、入力内容のばらつきを防ぐことで、誰でも標準化された記述が可能となり、依頼フローの均質化と部門間連携のスムーズ化が実現される。

この新機能は、作業依頼の精度を高めるだけでなく、業務全体の効率化にも寄与する。
従来、作業依頼の不備による差し戻しや対応の遅延が課題となっていたが、生成AIの導入により、これらの問題が解消されると期待されている。

今後の展望

今後の展開として、生成AIを活用した記述チェックからさらに踏み込み、保守業務全体のプロセス自動化や意思決定支援へと進化していくと考えられる。
2025年7月に予定されている「作業報告の自動生成機能」は、その第一歩と位置づけられるだろう。報告業務における文章入力の負担を軽減し、人的ミスの削減にもつながる見込みである。

加えて、記録された作業内容の構造化が進めば、過去データを活用した類似案件の自動提案など、知識の継承や教育支援への応用も視野に入ってくる。

さらに注目すべきは、将来的に構想されているデータ活用型の判断支援機能である。
各企業が蓄積したメンテナンス履歴や設備稼働データをAIが解析し、保全のタイミングや対応優先度を提案する仕組みが実装されれば、設備管理は属人性の高い業務から脱却し、より戦略的で再現性のある運用へと移行する可能性がある。

また、現場の使いやすさを起点にしたアップデートを行うことで、DX化の障壁となりがちな現場導入の心理的・物理的コストが低減され、導入企業の裾野がさらに広がると予測される。

将来的には、スマートファクトリーの実現や、他の業務領域とのデータ連携による包括的な最適化にも展開が及ぶ可能性があるだろう。