Google、動画生成AI「Veo 2」を発表　Gemini Advancedユーザー向けに提供開始

2025年4月15日、Googleは新たな動画生成AI「Veo 2」の提供を開始した。
テキストから高品質な動画を作成できるこのツールは、月額2,900円の有料プランで提供され、リアルな映像表現や滑らかな動きが特徴だ。
また、静止画をアニメーション化する機能「Whisk Animate」も発表され、AIによる表現の幅がさらに広がると期待されている。

Veo 2の登場が示す、AIによる動画生成の新たな可能性

Googleが発表した「Veo 2」は、テキストから8秒間の720p解像度の動画を生成するAIツールだ。
ユーザーは単にテキストを入力するだけで、シーンの構図や動き、雰囲気までも反映したリアルな映像を手軽に作成できる仕組みとなっている。

生成された動画には、AIによって作成されたものであることを示すデジタル透かし「SynthID(※)」が埋め込まれており、後からの改ざん防止や出所の明示に寄与する。
また、こうした動画はモバイル端末でも簡単に再生・保存が可能で、SNSプラットフォームでの共有を前提とした仕様が採用されている。

加えて、Veo 2の提供開始と同時にGoogleは新機能「Whisk Animate」を発表した。

このツールは、ユーザーが生成した静止画を8秒間のアニメーションに変換するもので、Veo 2の技術を活用している。
Whisk Animateは、既存のWhiskツールを拡張する形で提供され、ユーザーはテキストや画像のプロンプトを用いて、独自のアニメーションを作成することができる。
これにより、クリエイターはより多様な表現方法を手に入れ、コンテンツ制作の幅を広げることが可能となる。

※SynthID
Googleが開発したデジタル透かし技術で、AIによって生成されたコンテンツに目に見えないマークを埋め込むことで、生成元の識別とコンテンツの透明性を確保する。

今後の展望

今後、Googleが提供を開始した動画生成AI「Veo 2」および「Whisk Animate」の技術は、コンテンツ制作の効率化や新たな表現手法の開拓に寄与する可能性が高いと考えられる。

また、Veo 2の技術は、YouTube Shortsなどのプラットフォームへの統合が進められており、ユーザーが直接AI生成動画を投稿できる環境が整いつつある。これにより、クリエイターは短時間で高品質なコンテンツを制作・共有することが可能となり、SNSや動画共有サイトでの活用が広がると予想される。

一方で、AI生成コンテンツの普及に伴い、著作権や倫理的な問題への対応も求められる。Googleは、生成された動画にデジタル透かし「SynthID」を埋め込むことで、AI生成であることを明示しているが、今後はさらに透明性や信頼性を確保するための取り組みが重要となるだろう。

今後、Veo 2やWhisk AnimateのようなAIツールは、マーケティングや教育、エンターテインメントなど、さまざまな分野での活用が期待されている。
特に、短時間で高品質なコンテンツを求める現代のニーズに応える形で、これらのツールは重要な役割を果たすことになるだろう。