アビスパ福岡がAI観光プランWebアプリを導入へ　サポーター向けに地域回遊を促進

2025年4月14日、アビスパ福岡とKDDI株式会社は、5月の公式戦に向けてAI観光プラン生成Webアプリを導入することを発表した。
観戦前後の地域観光を支援する狙いがあり、特にサポーターへの利便性向上と地域経済の活性化が目的とされている。

観戦体験と地域観光をつなぐ新たな試み、アウェーサポーターの声に応えた施策

アビスパ福岡は、2025年5月に開催される試合（ホームゲーム・アウェイゲーム両方）にあわせて、AIを活用した観光プラン提案Webアプリの提供を開始する。
このアプリは、スタジアム来場者が試合日程や最寄り駅への到着時刻、希望する観光スタイルを入力すると、AIが飲食店や観光スポット、宿泊施設などを組み合わせた最適な観光プランを提示する仕組みだ。
自然言語による要望入力にも対応しており、柔軟なプランカスタマイズが可能となる。

この取り組みの背景には、「試合観戦に訪れる際、地元の観光情報が得にくい」という声が寄せられていた現状がある。
福岡は都市規模や観光資源の豊富さにも関わらず、スタジアム外の回遊性が課題とされていた。
その課題に対し、AIによって観戦と観光をシームレスに結びつけ、試合当日の地域体験を充実させる狙いがあるとみられる。

AIによる観光支援は、ユーザーの嗜好や時間帯に応じた柔軟な提案が可能であり、従来の紙ベースや人手による案内では困難だったきめ細かさを実現できる。

AIとスポーツ観戦の融合が地域経済に波及、他クラブへの波及効果にも注目

今回導入されるAI観光支援アプリは、単なる利便性向上にとどまらず、スタジアム周辺エリアの飲食店や観光施設への集客促進という側面でも注目されると思われる。
特にアウェイサポーターは観戦を主目的に遠方から訪れるため、地域での消費活動への誘導は重要な施策といえるだろう。
観戦前後の空き時間に観光を組み込むことで、地域への滞在時間が伸び、結果的に経済波及効果も見込まれる。

5月の福岡戦（ホームゲーム・アウェイゲーム両方）で、このAIアプリが実証的に導入され、利用者から好評を得られれば、他地域のJクラブや観光業界への応用も現実味を帯びるだろう。
スポーツ観戦と観光の融合は、観光戦略として地域活性の新たなモデルとなる可能性がある。

一方で、AIによるプラン提案は一見便利に思えるが、地域ごとの情報の網羅性や更新頻度が不十分であれば、的外れな提案や期待外れの体験につながるリスクがある。

しかし、AI技術を観光と結びつけるアプローチは、現代のデジタルツーリズム戦略としても合理的だ。効果測定次第では地方創生の文脈にも波及が期待される。

観戦アプリとの連携や、ユーザー行動データを活用したマーケティング施策への発展など、次なる展開にも注目が集まる。