オープンAIの2025年売上高、前年比3倍超の1.9兆円に 急成長の背景と今後の課題

米通信社の報道によると、オープンAIの2025年の売上高は127億ドル(約1.9兆円)に達する見通しである。これは前年の37億ドルから3倍以上の増加となる。急成長の背景には、生成AI「チャットGPT」の利用者数の爆発的な増加がある。
一方で、データセンターの整備や人材確保にかかるコストの上昇により、財務面での課題も浮上している。
チャットGPTの急成長と収益拡大
オープンAIの2025年の売上高が127億ドルに達するという予測は、チャットGPTの利用者数の急増に基づくものだ。2022年に公開された同サービスは、2023年11月に週あたりの利用者数が1億人を突破し、2024年2月には4億人を超えた。
この急激なユーザー増加が、オープンAIの収益拡大を後押ししている。
過去の売上推移を見ると、2024年の売上高は37億ドルだったが、2026年には294億ドルに達する可能性があるとされている。
生成AI市場は拡大を続けており、オープンAIもこの波に乗る形で成長している。企業向けのAPI提供や有料プランの導入により、収益基盤を強化している点も注目すべきだ。
コスト面の課題と今後の展望
急成長を遂げる一方で、オープンAIは大きなコスト負担を抱えている。
AIの継続的な開発と運用には、膨大な計算資源と高度な専門人材が必要となる。データセンターの整備や電力コストの増加により、オープンAIの財務状況には慎重な見極めが求められている。
報道によれば、同社の現金収支は2029年までは赤字が続く可能性があるという。
これは、収益が拡大しても、それ以上に投資が必要となるためだ。生成AIの市場競争が激化する中では、持続可能な成長戦略を確立できるかどうかが、今後の課題になるだろう。
オープンAIの急成長は市場からの注目を集めており、投資家の期待も高いが、安定した収益構造の確立とコスト管理が、今後の競争力を左右する要素になると考えられる。