ラクスル、中小企業向けに「無料ホームページ制作代行」を開始 AIでチラシを10分でWeb化

2025年4月24日、印刷・集客支援プラットフォームを運営するラクスルは、中小企業向けに「無料ホームページ制作代行」サービスの提供を開始したと発表した。AIがチラシを解析し、わずか10分で自動生成する仕組みで、人的・金銭的リソースが限られる中小企業のデジタル化を支援する。
アナログとデジタルの融合で、中小企業のオンライン化を後押し
ラクスルが発表した「無料ホームページ制作代行」サービスは、ユーザーが制作したチラシをAIが解析し、最短10分でホームページを自動生成するというものだ。
これにより、専門知識を持たない中小企業でも、手間をかけずに自社のオンラインプレゼンスを確立できる。
本サービスは、2025年1月に提供が始まったオールインワンWebプラットフォーム「ラクスルホームページ」の進化版として位置づけられている。
当初はユーザーが自身でホームページを作成する形式だったが、今回の代行モデルでは制作そのものをラクスルに任せるスタイルへとシフトしている。
背景には、中小企業が抱える「人的・金銭的リソースの不足」がある。多くの事業者は、ホームページ制作の必要性を認識しながらも、専門業者に依頼する予算が確保できず、また社内に対応可能な人材もいないという現状を抱えている。
そうした課題に対し、ラクスルは印刷事業で培った「チラシ入稿情報」や「業種別テンプレート」、さらに2022年にM&Aで取得したペライチの「制作データ」「予約・決済・フォーム機能」などを組み合わせて、AIによる自動提案プロセスを構築した。
アナログメディアであるチラシを入り口に、デジタル集客へと自然に誘導するこの仕組みは、オンライン化に一歩踏み出せなかった企業にとって、大きな突破口となりうる。
コストゼロで始まる集客変革と、今後のサービス展開への期待
このサービス最大の特徴は、「実質ゼロコストでホームページが立ち上がる点」にある。ユーザーがすでに持っているチラシをもとに構成を自動生成するため、追加の素材や制作費用が発生しない。
また、ラクスル側が代行するモデルのため、利用企業にとってはほぼノーリスクでデジタル化を試みることが可能だ。
これまで集客の手段が紙媒体に限られていた中小企業でも、オンライン化による新たなリード獲得が現実的な選択肢となる。特に、地域密着型の事業者や来店型ビジネスにとっては、検索エンジン経由での集客やオンライン予約の導線確保が大きな武器となる。
一方で、競合するホームページ制作サービスとの差別化が今後のカギとなるだろう。
大手制作ツールは高機能化が進む一方で、操作性やコスト面でのハードルが存在する。その点、ラクスルの提案は「すでにあるチラシ」を起点とするシンプルな導入設計と、業種に特化したテンプレートにより、ユーザー負担を最小限に抑える点で優位性を持つ。
中小企業のDX支援は政府も注力する分野であり、この分野でのサービス拡張は市場からの注目も高まりそうだ。AI技術の進化とともに、ユーザー体験のさらなる向上が期待される。