高知・安芸市に最新コンタクトセンター「エバーユニーク安芸」開所 AI活用で消費者の問い合わせに対応

2025年4月22日、高知県安芸市にてAIを活用した次世代型コンタクトセンター「エバーユニーク安芸」の開所式が行われた。地方都市におけるAI技術の活用と地域貢献の好例として、全国的な注目を集めている。
AIによる効率化と地域連携のハブ、地方創生を目指す「エバーユニーク安芸」の全貌
「エバーユニーク安芸」は、安芸市および高知県の誘致活動を背景に、東京都内のソフトウェア開発企業によって出資・設立されたものである。
同センターの最大の特徴は、電話、メール、チャットといった複数のチャネルを通じて消費者からの問い合わせに対応するAIシステムの導入にある。AIは対話内容をリアルタイムで解析し、蓄積されたデータをもとに顧客対応の質を高める機能を持つ。
これにより、オペレーターの負担軽減や対応の迅速化が実現されると期待されている。
現時点でのスタッフ数は22人。今後5年で40人規模へと拡張する計画が進行中であり、地方における新たな雇用の受け皿としての役割も担う。
安芸市の地場経済に対しても一定の波及効果が見込まれており、IT産業の少ない地方における先進モデルとして注目されている。
また、単なる業務拠点にとどまらず、地域住民が参加できるワークショップや子ども食堂の開催も視野に入れている。地元との連携を重視した運営方針が打ち出されており、企業と地域社会が共に成長する仕組みづくりが進められている。
今後の展望
今後、「エバーユニーク安芸」は、地方におけるAI導入の先進事例として注目を集める可能性がある。
AIによる顧客対応が安定的に機能し、住民との協調的な取り組みが成果を上げれば、他地域でも類似モデルの導入が進むと予想される。特に、人口減少や高齢化が進む地方においては、少人数で持続可能な業務運営が不可欠となっており、こうしたAI連携型施設はそのニーズに合致する。
また、蓄積された顧客対応データをもとに、サービスの質の向上や商品開発、さらには地域の課題解決への応用が期待される。
AIと人間の協働による「半自律型カスタマーサポート」の枠組みが成熟すれば、行政や医療、教育など他分野への展開も視野に入ってくる。
とはいえ、地域住民の理解と信頼が欠かせない。AIに対する過度な期待ではなく、あくまで補助的・協働的な役割として位置づけた上で、住民参画型の運営体制を維持していけるかどうかが、持続可能性の鍵になると考えられる。