ソフトバンク、日本語に特化したAIを開発するためのデータセンターを苫小牧市に建設　起工式で地域と連携強化

2025年4月15日、ソフトバンク株式会社は北海道苫小牧市で新たなデータセンターの起工式を実施した。この施設は2026年度の開業を予定しており、地域経済や環境への配慮が注目されている。

苫小牧市におけるデータセンター建設の背景と目的

ソフトバンクは、北海道苫小牧市東部地域に大規模なデータセンター（※）の建設を計画している。
このデータセンターには、日本語に特化したAIを開発するための基盤やサーバーが設置される予定で、事業費は約500億円規模、最大消費電力は30万キロワットに達する見込みだ。
2026年度中に開業をする方向で調整が進められている。

この取り組みは、東京や大阪に集中するデータセンターを地方に分散させる国の方針とも一致しており、災害リスクの分散や地域経済の活性化が期待されている。
また、経済産業省が公募している補助金の申請も行われており、国の支援を受けながらプロジェクトが進行している。

起工式には、ソフトバンクの代表者や地元自治体の関係者が出席し、工事の安全とプロジェクトの成功を祈願した。地元自治体も、先端産業の集積を目指す「北海道バレー構想」の一環として、データセンターの誘致に力を入れており、地域との連携が強化されている。

※データセンター：大量のデータを保管・処理するための施設で、サーバーやネットワーク機器が設置されている。

地域経済への影響と今後の展望

苫小牧市に建設されるデータセンターは、地域経済に多大な影響を与えると予想されている。建設期間中の雇用創出や、運用開始後の地元企業との連携が期待されており、地域の産業基盤の強化につながる可能性が高いだろう。

また、ソフトバンクは環境への配慮も重視しており、最新の冷却技術や再生可能エネルギー（※）の活用を検討している。これにより、データセンターの運用による環境負荷を最小限に抑えることが可能となる。

今後、データセンターの建設と運用を通じて、苫小牧市は先端技術の拠点としての地位を確立し、地域全体の発展に寄与することが期待される。
ソフトバンクと地元自治体の連携は、持続可能な地域社会の実現に向けたモデルケースとなり得るだろう。

※再生可能エネルギー：太陽光や風力など、自然の力を利用して発電するエネルギーで、環境への負荷が少ないとされている。