メルカリNFTでRWAトークン取り扱い開始、CryptoGamesが主導

2025年4月15日、ブロックチェーンゲームの開発支援を手がけるCryptoGamesは、トレーディングカード流通を行うTCG STOREと提携し、両社が発行するRWA(実物資産)トークンがメルカリNFTで取り扱いを開始したと発表した。
ゲーム×トレカ×RWA、三位一体の戦略でNFT市場に新たな風を吹き込む
CryptoGamesは、NFTやトークン技術を活用したブロックチェーンゲームの開発支援を行う国内のWeb3企業である。これまでもNFTを活用したゲーム内資産のトークン化を進めてきたが、今回新たに注力しているのがRWAトークンの分野だ。
RWA(Real World Assets)とは、現実世界に存在する資産をブロックチェーン上でトークンとして発行し、売買や移転を可能にする技術領域を指す。
TCG STOREは、主にアナログトレーディングカードの流通と販売を手がける事業者であり、リアルなカード市場に強い顧客基盤を持つ。
この提携によって、物理的なカードに裏付けられたNFTをRWAトークンとして発行し、それをNFTマーケットプレイスであるメルカリNFTにて売買可能にするというスキームが実現した。
2025年2月に販売が始まったこのRWAトークンは、すでに1,000枚を超える発行実績がある。
発行基盤は、ゲームに特化したブロックチェーン「Oasys」の「TCG Verseチェーン」で、トークンの保有者が償還を申し込むことで、対応する実物のトレーディングカードが手元に届く仕組みとなっている。
リアルとデジタルを融合する市場戦略、次なる焦点は「所有体験」の再定義か
今回の動きは、NFT市場がこれまで抱えていた「実体のないデジタル所有権」の限界を突破する試みとも言える。トレーディングカードという実物資産を基軸に据え、それをトークンとして扱うことで、物理資産の所有とデジタル上での流通という二つの価値を両立させている点が大きな特長だ。
メルカリNFTは、メルカリ本体の膨大なユーザーベースとの連携によって、ブロックチェーンに馴染みのない一般消費者にも訴求力を持つ。
RWAトークンの取り扱いが進めば、NFTが単なる投機対象から「リアルな資産の延長」として認識される土壌も広がる可能性がある。
マーケティング観点では、企業が新たなコレクター市場を開拓する手段としてRWAトークンを活用するケースも想定され、プロモーションや流通の設計にも影響を与えそうだ。
一方で、実物資産の保管方法、真正性の保証、所有権のトラブルといった課題も依然として残る。
今後はこれらの課題にどう対応しつつ、ユーザーが「デジタル上でリアルを所有する」という新たな体験価値をどう享受するのかが焦点になるだろう。
CryptoGamesとTCG STOREが描く次のステップが注目される。