KDDIら、AIによる広告制作システムを開発　一貫性のあるブランドイメージを生成可能に

KDDIは2025年1月31日、RecursiveやSupershipと共同で、生成AIを活用した広告クリエーティブ生成システムを開発したことを発表した。

ブランドガイドラインに基づいた一貫性のある広告バナーの生成が可能となり、広告制作の効率化が大きく期待される。

すでに行われたベータ版テストでは、業務コストが大幅に減少したことが確認されている。

生成AIによる広告クリエーティブ生成システム開発の背景

KDDIは、新技術の活用を通じてビジネス業務の効率化を目指している。

今回開発された生成AIシステムは、「au VISUAL IDENTITY」などのブランドガイドラインに基づいた広告バナーを自動生成できる。

これはRecursiveが開発した人工知能技術と、Supershipのデジタルマーケティングのノウハウが組み合わされたものである。

また、過去の広告配信データを活用し、広告効果が高いクリエーティブを自動選別する機能も備えている。

これにより、広告制作は、広告業務の担当者やブランドマネジャーにとって、低コストで高品質な資料を生成できる可能性が高まるという利点がある。

生成AIの使用における課題と対策

生成AIの利用が広がる中、想定される問題も存在する。

まず、AIによる偽情報の生成が、フェイクニュースや著作権問題を広める可能性だ。この問題に対してKDDIは、ガイドラインの適切な適用と、作成過程における制御を実施する方針を打ち出している。また、情報セキュリティの保護にも力を入れている。

さらに、データプライバシーの保護も重要なテーマである。
個人情報が不正に利用されるリスクを軽減するため、アクセス管理やログ監視を徹底している。このような対策により、企業全体でのリスクマネジメントが強化されることが期待される。

今後の広告制作の展望

KDDIは、今後もこの生成AIシステムを自社業務に展開すると同時に、広告制作のエスカレーションを支援する考えだ。

世界の広告システムにおける統一性が強まり、専門知識を添えた高品質な広告作成が可能となるだろう。

さらに、AIによる広告制作は、リアルタイムでの市場ニーズの把握にも役立つ。
市場の動向に即対応する広告戦略の構築が可能となり、顧客満足度の向上が見込まれている。加えて、広告費用対効果の分析が容易になり、投資効率の改善にもつながり得る。

この試みは、日本のデジタルマーケティング業界にとって、重要な一歩となるだろう。