ChatGPTに新モード 「Deep Reserch」で膨大な情報を集め、「深く、長く」思考させる
OpenAIが、再び大きなアップデートを明らかにした。
2025年2月3日の配信で、OpenAIはChatGPTの新機能として「Deep Research」モードを発表した。この機能の最大の特徴は、従来のチャットモードでは不可能だった「大規模な情報収集」「最大30分間の長時間思考」を実現したことである。これにより、複雑な調査や分析を必要とするタスクを、AIが自律的に実行できるようになる。
参考 : Xでの配信
従来の制約を突破する画期的な長時間思考
Deep Researchモードは、新しいモデルではなく、既存のモデルで使用できるモードだ。配信からは、「検索する」スイッチの横に、「Deep Research」モードのボタンが追加されている様子がわかる。
このモードでは、ChatGPTがインターネット上の情報を検索、閲覧、分析し、その結果を総合的に判断して最適な結論を導き出すことができる。従来のチャットモードは即時的な応答を重視していたが、Deep Researchモードでは最大30分という時間をかけて、人間の専門家のように深い思考と分析を行うことが可能となった。
特に優れているのは、その精度の高さだ。AIの専門知識を評価する最新の指標「Humanity’s Last Exam」において、Deep Researchモードを搭載したChatGPTは、26.6%という新記録を達成した。「人類最後のテスト」と題されたこのテストは、物理学、数学、文学など約100の専門分野から選ばれた3,000問以上の問題で構成されており、これまでで最も難しいAIテストと言われている。
参考:Gigazine https://gigazine.net/news/20250124-humanitys-last-exam
このテストではこれまで、OpenAIの最新モデルである「o1」でも、8.3%程度の正答率しか記録できず、他のモデルはこれをさらに下回っていた。
今回の26.6%という高いスコアから、Deep Researchモードの実力が非常に高いものであることがわかる。
Deep Researchは、従来のAIモデルでは難しかった複雑な計算問題や、特殊な分析を必要とする問題でも、必要な情報を自ら探し出し、それを活用して解答を導き出すことができるのである。
ビジネス現場における具体的な活用可能性
ChatGPTのDeep Researchモードの実用性は、すでに様々な分野で検証されている。
たとえば、市場調査や投資分析においては、数時間を要する複雑な調査タスクを30分程度で完了させることが可能となった。また、特定の業界動向の分析や、競合他社の詳細な調査など、通常であれば専門家が数日かけて行う作業を、より短時間で実行できる。
Deep Researchモードは単なる情報収集だけでなく、収集した情報を基に戦略的な提案を行うことも得意だ。製品開発のためのアイデア創出や、マーケティング戦略の立案など、創造的な思考を必要とする業務においても、有効な支援ツールとなることが期待されている。
さらに、Deep ResearchモードはChatGPTの柔軟な対話能力も有している。
ユーザーからの曖昧な質問に対しても、適切な確認を行いながら、最適な情報を提供することができる。これにより、専門知識を持たないユーザーでも、高度な分析や調査を効率的に実行することが可能となるのだ。
動画では、実際にDeep Researchの実践も公表された。
Deep Researchモードで、「モバイル市場の分析」を依頼すると、29の情報源を活用し、分析を11分で実施完了した。完成したレポートは、グラフ・表・出典が整理された高品質な形式で出力された。結果は、youtube動画の26:25から確認できる。
リンク : https://youtu.be/jv-lpIsnLOo?t=1585
まとめ
ChatGPTのDeep Researchモードの登場によって、AIの活用範囲を大きく広げる可能性が生まれた。特に、複雑な意思決定や専門的な分析を必要とするビジネス領域において、その効果は大きいと考えられる。すでにPro版での提供が開始されており、今後はPlus版やTeam版、さらには教育機関や企業向けにも展開される予定だ。
この技術の進化は、人間の知的労働を支援し、より創造的な業務に注力できる環境を実現する可能性を示している。今後、Deep Researchがどのようにビジネスの現場を変革していくのか、その動向に注目が集まっている。
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