米次期財務長官候補、CBDCへの懸念表明 デジタル通貨政策の転換点か

金融システムのデジタル化が進む中、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は世界中で重要な政策課題だ。しかし、米国では新たな展開が生じている。次期財務長官候補のベッセント氏が、米国のCBDC構想に明確に反対の姿勢を示した。
目次
CBDCを巡る現状認識
米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発は、これまで慎重に進められてきた。連邦準備制度理事会(FRB)は、デジタル決済システムの効率化や金融包摂の促進を目指し、CBDCの研究に取り組んでいる。しかし、プライバシー保護や金融システムへの影響といった課題が指摘されている。
ベッセント氏の反対姿勢
ベッセント氏は、CBDCの導入に対し、特にプライバシーとセキュリティの観点から強い懸念を示している。デジタル通貨の取引記録が政府の管理下に置かれることで、個人の経済活動が監視される可能性を指摘した。また、現行の金融システムや民間部門のイノベーションを重視する立場から、CBDCの必要性に疑問を呈している。
政策への影響と今後の展望
この反対表明は、米国のデジタル通貨政策に大きな影響を与える可能性がある。既存の決済システムを改善し、民間部門のイノベーションを優先する方針が強化される見通しだ。
一方、中国をはじめとする諸外国がCBDC開発を加速させる中、米国の国際競争力への影響も懸念されている。デジタル時代における通貨政策の在り方については、さらなる検討が求められている。