2024年の暗号資産の不正取引額が400億ドルに達する チェイナリシスのレポートで明らかに

2024年の暗号資産に関連する不正取引額が400億ドル(約6兆円、1ドル150円換算)に達したことが、ブロックチェーンセキュリティ企業チェイナリシスの2025年2月発表のレポートで明らかとなった。チェイナリシスは、全ての犯罪を考慮すると2024年の総額は513億ドル(約7兆6950億円)になるだろうと予測している。
不正取引の詳細と傾向
チェイナリシスのレポートによると、2024年の暗号資産に関連する不正取引額は400億ドル(約6兆円)に達した。不正取引の主な要因は、詐欺、マルウェア、不正行為、ダークネットでの活動による可能性が高いという。
2023年の総額は461億ドル(約6兆9150億円)だったが、チェイナリシスは「全ての犯罪を考慮すると2024年の総額は2023年を上回る513億ドル(約7兆6950億円)になる」と予測している。
なお、全体の取引量に対する不正取引の割合は2023年の0.61%から、2024年には0.14%に減少した。不正取引の比率低下は、機関投資家の取引量の急増に伴い、業界全体の取引量が増えたことによるものだという。
最近の不正取引の傾向としては、ビットコイン(BTC)からステーブルコイン(※1)への移行が顕著であると考えられる。
ビットコイン(BTC)が関係する不正取引は、2021年には不正取引全体の約70%を占めていた。しかし現在は、不正取引全体の63%がステーブルコインによるものとされ、ビットコイン(BTC)は約20%となっている。
市場への影響と今後の展望
今後の展望として、2025年は不正取引額がさらに増加する可能性があると考えられる。2025年2月に発生したBybit(※2)での約15億ドルのハッキング事件の影響で、2025年のデータにはイーサリアム(ETH)が含まれるようになるかもしれない。
機関投資家の取引量が増加する中で、全体の取引量に対する不正取引の割合が減少していることは、一定の希望をもたらすと言えるだろう。
しかし、ハッキング事件や詐欺が続くことで、一般の投資家が市場から撤退するリスクが高まる。また、暗号資産に対する規制が強化される可能性もあり、これが市場の成長を妨げる要因となるかもしれない。
暗号資産市場の成長とともに新たな脅威が現れる可能性も否定できず、今後の動向には注意が必要と思われる。暗号資産の未来は、技術の進化と規制の動向に大きく左右されるだろう。
※1)ステーブルコイン:法定通貨(例:米ドル)と価値が連動するように設計された暗号資産。価格変動が小さいため、取引や決済手段として利用される。
※2)Bybit:暗号資産の取引所の一つで、世界中のユーザーにサービスを提供している。2025年2月に大規模なハッキング被害を受け、約15億ドル相当の暗号資産が盗まれたと報告されている。
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