アーサー・ヘイズ氏、ビットコイン年末25万ドル到達の強気予想を維持

2025年4月1日、暗号資産取引所BitMEXの元CEOであるアーサー・ヘイズ氏は、現在もビットコイン(BTC)の価格が2025年末までに25万ドル(約3,740万円)に到達するとの強気予想を維持していることを示した。
FRBの金融政策とビットコイン価格の関係
ヘイズ氏は、ビットコインの価格動向は主に法定通貨の供給量に左右されると主張している。特に、FRBの金融政策が重要な要因となるとの見解だ。
現在、FRBは量的引き締め(QT)を実施しており、市場から流動性を吸収する動きを取っている。しかし、最近のFOMC(米連邦公開市場委員会)の決定を受けて、QTの終了が近づいているとの見方が強まっている。
FRBがQTから量的緩和(QE)(※1)に移行すれば、金融市場に新たな資金が供給されることになり、リスク資産であるビットコインの需要が増すと考えられる。
過去の例を見ても、2010年代の金融緩和期にはビットコインが大きく成長した経緯がある。ヘイズ氏は、この動きが再び起こる可能性が高いと分析している。
また、彼はビットコインが今後7万6,500ドルまで下落するよりも、先に11万ドル(約1,640万円)に達する可能性が高いと指摘している。これは、金(ゴールド)の市場動向と比較し、ビットコインが同様の上昇トレンドを描くと見ているためだ。
ヘイズ氏の予想に対するメリットとデメリット
ヘイズ氏の予想通りにビットコインが上昇すれば、暗号資産市場全体の活性化につながるだろう。
特に、FRBの金融政策による流動性供給が強まれば、リスク資産としてのビットコインの需要が高まり、大口投資家の参入が加速する可能性がある。
さらに、価格の上昇が続けば、ビットコインが「デジタル・ゴールド」としての地位を確立し、長期的な価値保存手段としての信頼性を強めることになるだろう。
一方で、ヘイズ氏の予測には不確実性が伴う。
FRBの金融政策は多くの経済要因によって変動し、必ずしも緩和的な方向へ進むとは限らない。仮にQTが継続された場合、市場の流動性が引き締まり、ビットコインの上昇シナリオが崩れる可能性がある。
また、価格の急上昇が投機的なバブルを引き起こし、急落のリスクを伴う点も懸念材料だ。
加えて、規制当局が暗号資産市場に対して厳格な規制を打ち出せば、投資家心理が冷え込み、期待された上昇トレンドが実現しない可能性もある。
市場の動向を注視すると、最近のFOMC会合(※2)を受けてビットコインの価格は一定の変動を見せている。投資家の間では、FRBの政策変更が本格化するタイミングを見極める動きが活発化しているようだ。
総じて、ヘイズ氏の予想をどう捉えるかは、慎重に見極める必要があるだろう。
※1 QE:中央銀行が市場に資金を供給し、金利を低下させることで経済を刺激する金融政策。逆に、量的引き締め(QT)は市場から資金を吸収し、流動性を抑制する政策を指す。
※2 FOMC(米連邦公開市場委員会):FRBの金融政策を決定する機関であり、年8回の会合を通じて政策金利の変更や金融市場への資金供給方針を議論する。