【Week : 4/28-5/2】マイクロRNAを用いたがん検査や対話型AIプラットフォームが資金を集める スタートアップ資金調達リサーチ

Web3/AI領域に特化した転職エージェント「Plus Web3 Agent」

最先端のテクノロジー領域で働きたい人材と優良企業のマッチングを支援しています。
少しでも興味のある方は、お気軽に「無料キャリア相談」をご利用ください!

5月が始まり、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しました。

この記事では、4月28日から5月2日の間にリリースされた、スタートアップの資金調達ニュースをまとめています。さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。

目次

がん疾患の早期発見と治療に取り組むCraif、32億円の資金調達を実施

事業内容: 尿がん検査「マイシグナル」の提供

調達金額: 32億円

引受先: X&KSK、豊田合成、トヨタ紡織、Unreasonable Syndicate、タウンズ、大和ハウスベンチャーズ、あおぞら企業投資、MR、タウンズ 他

今後の展望: 「マイシグナル」のさらなる研究開発、医療機器プログラムの臨床開発、その他疾患の検出技術開発、米国でのR&D体制強化によるグローバル展開

Craifは、「人々が天寿を全うする社会の実現」をビジョンに掲げ、疾患の早期発見と治療の最適化に取り組む名古屋大学発のベンチャー企業です。2024年のノーベル生理学・医学賞の受賞テーマとなった「マイクロRNA」の実用化にいち早く着手し、尿中マイクロRNAをAIで解析する技術を開発。これにより、すい臓がんや肺がんといった難治性がんのリスクの超早期発見を可能にする「マイシグナル・スキャン」を提供しています。

2022年2月のサービス開始以降、全国1,000超の医療機関、500店舗超のドラッグストア・薬局への導入を達成し、企業の福利厚生プログラムやECチャネルを通じて急速にサービスを拡大しています。これまでに蓄積した検体データは4.2万件を超え、その研究成果を約60件の学術論文や学会報告として公表。2024年4月には、すい臓がん診断を目的とする医療機器プログラムの薬事承認取得を目指した臨床試験も開始しています。米国ではカリフォルニア州アーバインに研究開発ラボを設立し、FDA承認・保険償還を視野に入れた現地での研究開発を本格化させています。

小売企業のDXを支援する10X、21億円の資金調達を実施

事業内容: 小売業のDX支援

調達金額: 21億円

引受先: グローバル・ブレイン、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、GMO Venture Partners、三菱UFJキャピタル、KDDI Open Innovation Fund 3号、Canon MJ MIRAI Fund、高輪地球益ファンド

今後の展望: 「Stailer ネットスーパー」のプロダクト強化、新たな小売支援プロダクトの開発

10Xは、小売業が直面する構造的な課題に向き合い、スーパーマーケットをはじめとする小売業界のDXを支援するスタートアップです。主力プロダクトである「Stailer(ステイラー)ネットスーパー」は、スーパーマーケットやドラッグストアを想定したECプラットフォーム。商品マスタデータの生成、モバイルに最適なUXの構築、店舗スタッフのオペレーション改善、配達管理などが可能で、ライフ、スギ薬局、フジなどの大手小売企業に導入されており、年間流通総額(GMV)は数百億円規模に達しています。Staileを通じて提供するネットスーパーのGMV成長率が市場平均の約10%を大きく上回る56.7%(2024年実績)を記録するなど、導入効果の高さが特徴です。

Stailerの導入は小売事業者の収益面でも顕著な成果をもたらしています。例えばデリシアでは導入から1年で売上は前年比1.4倍、注文数は1.8倍に成長し、店舗営業利益も大幅に改善して黒字化を実現しました。他の導入先においても、ネットスーパー事業の最大の課題とされる「利益化」において、多数の黒字化事例を創出。単なるシステム導入にとどまらず、売上と利益の両面で事業成果を実現するプロダクトとして、小売事業の経営基盤強化と持続可能性の向上を支えています。

教育DXプラットフォームのManabie、33億円の資金調達を実施

事業内容: 教育事業者向けDXプラットフォームの開発・提供

調達金額: 約33億円

引受先: JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、三菱UFJキャピタル、ヒューリック、増進会ホールディングス、Globis Capital Partners、Genesia Ventures、千葉道場ファンド 他

今後の展望: 日本における教務システム・校務システムの機能拡充、生成AIを活用した「AIチューター」機能の開発加速、東南アジアにおける事業拡大

Manabieは、教育事業者向けのDXプラットフォーム「Manabie」を提供するEdTechスタートアップです。日本および東南アジアを中心に、学習塾や学校法人等に対し、学習管理・コミュニケーション機能、教材・コンテンツ管理機能、請求管理機能等をオールインワンで提供する教育事業者向けバーティカルSaaS「Manabie」を展開し、教育現場のDXを支援しています。

同社はオンライン学習サービス「Quipper」の元共同創業者である本間拓也が、元Lazada(アリババグループ)創業メンバーのChristy Wongと2019年にシンガポールで設立しました。シンガポール、ベトナム、フィリピン、日本に約150名のメンバーを擁するグローバル組織として、アジア全域における教育水準の向上を目指しています。ベトナムではすでに約30教室、13,000人の生徒を擁するデジタル化された学習塾を展開しており、今後は日本およびベトナムを中心に事業を展開させるとともに、他国への展開も推進していく予定です。

M&A事業者向けのプラットフォームを提供するM&Aクラウド、5.1億円の資金調達を実施

事業内容: M&Aマッチングプラットフォームの運営

調達金額: 5.1億円

引受先: かんぽNEXTパートナーズ、正栄産業、三菱UFJキャピタル 他

今後の展望: M&A事業者向けプラットフォームのシステム開発、M&Aアドバイザーの採用強化

M&Aクラウドは、「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」というミッションの実現に向け、買い手の顔が見えるM&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」を運営しています。また、事業会社からの資金調達をサポートするマッチングプラットフォーム「資金調達クラウド」、経験豊富なM&Aアドバイザーがアドバイザリー業務を担う「M&A Cloud Advisory Partners(MACAP)」「Startup M&A Advisory」、全国の事業承継案件を支援する「M&Aクラウドエージェント」という合計5つの事業を展開しています。

システム面では2025年1月に仲介・売り手FA事業者向けに「M&Aクラウド for アドバイザー」を、2025年3月にはM&Aアドバイザリー業務のDX化ツール「NEXUS」をリリースするなど、M&A市場のDX化を推進しています。2024年9月には、これまで1つのチームだったM&Aアドバイザリー事業を2つに分け、事業承継M&AとスタートアップM&Aそれぞれに特化したサービス提供体制を整備。今回調達した資金を活用し、M&Aを望む企業やその支援を行うアドバイザーにとってより使いやすいプラットフォームの開発を進めるとともに、M&Aアドバイザーの採用強化にも努めていく方針です。

AIプラットフォームを開発するエキュメノポリス、7.5億円の資金調達を実施

事業内容: 対話型診断AIエージェント基盤の開発

調達金額: 7.5億円

引受先: Beyond Next Ventures、科学技術振興機構、三菱UFJキャピタル、マニエスグループ、QBキャピタル、静岡キャピタル

今後の展望: 対話型診断AIエージェントプラットフォーム「EQU AI Platform」の開発加速、言語学習支援AIサービス「LANGX」の全国展開、人材採用と組織体制の強化

エキュメノポリスは、2022年5月に早稲田大学発スタートアップとして創業し、人とAIが協調し共進化する社会の実現を目指して活動しています。同社が開発する「EQU AI Platform」は、自然な対話を通じてユーザーの理解・成長・意思決定を支援する、対話型診断AIエージェント基盤です。EQU AI Platformの特長は、会話中に得られるマルチモーダルデータ(音声・テキスト・表情・動作)を深く分析し、従来の評価指標では捉えきれなかった「インタラクション能力(やりとりの力)」を高精度に測定できる点にあります。

この技術を応用した自社サービス「LANGX」は、最新のマルチモーダルAIを駆使した次世代型AI英語学習支援サービスで、AIキャラクターとのリアルな対話体験を通じて、総合的なスピーキング能力判定、強みと弱みの詳細な説明、さらに学習者一人ひとりに最適化された学習フィードバックを提供しています。世界標準の言語能力評価基準(CEFR)に準拠したLANGXは、すでに全国の教育機関、企業、自治体で導入されており、今後さらに国際社会で通用する英語力の獲得を目指す学習者や、ビジネスでの英語活用を目指す方々に価値を提供していく予定です。

まとめ

4月28日から5月2日のスタートアップ資金調達例をまとめました。

今週の資金調達ニュースからは、さまざまな業界でスタートアップ企業が資金調達に成功していることが分かります。特に目立つのは、Craifの尿中マイクロRNAを用いたがん検査やエキュメノポリスの対話型診断AIなど、先端技術と医療・教育といった社会課題を結びつけたディープテック系の企業への投資です。これらの企業は単なる技術開発だけでなく、実際のサービスとして社会に実装し、成果を挙げている点が評価されていると言えるでしょう。

また、10XやM&Aクラウドのように、既存産業のDX支援というアプローチも引き続き強い投資傾向にあります。小売りやM&Aといった伝統的な産業において、テクノロジーを駆使した効率化や付加価値創出が進む中、これらを支援するプラットフォーム事業が成長しています。特に、10Xのように単なるシステム提供にとどまらず、導入先の事業成績改善までコミットするビジネスモデルが評価されている点は、今後のDX支援ビジネスのひとつの方向性を示していると考えられます。

「Plus Web3」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。

Plus Web3は「最先端技術に取り組むテクノロジー領域(Web3/AI)に特化したキャリア支援サービス」


Plus Web3 Agentは、AI開発やブロックチェーン技術など、急成長する先端技術分野への転職をサポートする専門エージェントです。
経験者はもちろん、異業種からの転身を検討される方にも最適な機会をご紹介しています。

  • 成長産業であるAI業界やWeb3領域でのキャリアを検討している
  • 未経験からでもAI・Web3業界に挑戦できる道を探している
  • 自分のスキルを最先端技術分野でどう活かせるか知りたい

こんな方におすすめです

業界に精通したキャリアアドバイザーが、あなたの経験・スキル・志向性を丁寧にヒアリングし、最適な企業とポジションをマッチングします。
まずは無料キャリア相談で、あなたの可能性を広げるチャンスを掴みませんか?

Web3企業

AI企業

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Please Share
  • URLをコピーしました!
目次