【Week : 3/31-4/4】がん治療薬や再エネ企業が大型調達 スタートアップ資金調達リサーチ

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4月が始まり、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しました。

この記事では、3月31日から4月4日の間にリリースされた、スタートアップの資金調達ニュースをまとめています。 さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。

目次

がん治療薬を開発するジェイファーマ、57.7億円の資金調達を実施

事業内容: LAT1(L型アミノ酸トランスポーター1)阻害剤の研究開発

調達金額: 57.7億円

引受先: JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、SIIFICウェルネス投資事業有限責任組合、QRインベストメント、BA7 Venture Capital CORP、UntroD野村クロスオーバーインパクトファンド、FFGベンチャービジネスパートナーズ、ガバナンス・パートナーズ、フジタ・イノベーション・キャピタル、東海東京インベストメント、その他個人投資家等14名

今後の展望: ナンブランラトのグローバル第3相臨床試験、JPH034の米国FDA IND申請と第1相臨床試験、LAT1を標的とした新規薬剤の探索および診断技術の開発

ジェイファーマは、LAT1(L型アミノ酸トランスポーター1)阻害剤「ナンブランラト」及び「JPH034」の研究開発を行うバイオテックベンチャーです。特に同社が開発する「ナンブランラト」は、これまで治療選択肢が極めて限られていた難治性胆道がん患者に対して画期的な成果を示しています。胆道がんは治療が非常に困難で、特に2次治療以降の患者では有効な治療法がほとんどない状況でしたが、ナンブランラトは国内第2相臨床試験で単剤投与でも有意な臨床効果を示し、2024年度第2四半期には米国FDAとグローバル臨床第3相試験のデザインについて合意に達成。また、現在の治療法では完全に抑えることが難しい多発性硬化症に対してもLAT1阻害剤「JPH034」の開発を進めており、既存薬が効果を示さない二次進行型多発性硬化症においても効果が期待されています。

LAT1は、がん細胞が急激に増殖する際に細胞膜での発現が亢進し、必須アミノ酸を大量に取り込むことでがん細胞の爆発的増殖を可能にする「がんの栄養パイプライン」とも言える分子です。ジェイファーマのナンブランラトはこのLAT1を選択的に阻害することで、がん細胞の増殖に必要な栄養素の供給を遮断し、がんの成長を抑制するという従来にない作用機序を持っています。こ既存の抗がん剤とは全く異なるアプローチであり、LAT1を標的とし臨床開発を進めている世界初の化合物として、医薬品の承認を取得すれば、ファースト・イン・クラスの新薬となります。さらに、この技術は複数のがん種や、多発性硬化症など自己免疫疾患にも応用できる可能性を秘めており、多くの難治性疾患に新たな治療の光をもたらす革新的技術として期待されています。

再生可能エネルギーを民間に提供するシェアリングエネルギー、40.7億円の資金調達を実施

事業内容: 初期費用無料での住宅の屋根置きの太陽光発電設備導入サービス「シェアでんき」

調達金額: 40.7億円

引受先: イオン銀行、北陸銀行、八十二銀行、朝日生命保険相互会社、明治安田生命保険相互会社、あいち銀行、常陽銀行

今後の展望: 「シェアでんき」導入による事業をさらに推進、再生可能エネルギーの普及拡大を加速

シェアリングエネルギーは、「分散電源の創出によりエネルギーシステムを変革する」をミッションに掲げ、初期費用無料で太陽光発電システムを設置して電気代をお得にするサービス「シェアでんき」を提供しています。今回の資金調達は、住宅向け屋根置き太陽光発電システムの開発のため、プロジェクトボンドを通じて実施され、ゴールドマン・サックス証券株式会社をアレンジャーとし、株式会社格付投資情報センターからBBBの格付を取得した上で行われました。

近年、脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの導入が加速しており、政府の第7次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーを2040年度には全体の4から5割程度に拡大して最大の電源とする方針が示されています。一方で、初期投資が課題となり導入をためらう家庭も少なくありません。「シェアでんき」はこうした市場の課題を解決し、太陽光発電の導入ハードルを大幅に下げることで、顧客にもメリットがある形で、持続可能なエネルギーの普及を加速させています。全国で23,000件を超える契約申込みを受け、1,700社以上のパートナーと提携するなど、着実に事業を拡大しています。

データ設計により建設部材を供給するBALLAS、18.4億円の資金調達を実施

事業内容: 建設部材の提供

調達金額: 18.4億円

引受先: あおぞら企業投資、京都銀行、静岡銀行、商工組合中央金庫、北國銀行

今後の展望: SCMシステムの機能強化・拡張、プロダクト組織のさらなる強化

BALLASは、データを使ってコアとなる設計機能を担い、QCD(Quality=品質、Cost=価格、Delivery=納期)に優れた建設部材を供給する建築メーカーです。従来は一品一様で受注生産されてきた建設部材を、設計データの自動生成を起点としたSCMシステムにより、中長期的な生産計画に則ったマス・カスタマイズ生産に移行することで、成長を遂げてきました。

労働人口減少を背景とした供給力不足が顕在化している建設業において、自動生成を取り入れた効率化により、発注者である建設工事会社、受注者である製作・施工会社をはじめとした各業界プレイヤーが得意分野に集中できる業界構造を作ることを目指しています。3期目となる2024年12月期には、売上は前年比3倍、売上総利益は前年比4倍の成長率を達成し、納品部材数は3,500件に達しました。また、2024年末に建設業法第3条にて規定される建設業許可を取得したことで、建設事業者としてより広範な設計、生産、施工のデータを取り扱う体制が整い、AI機能の強化によりさらなるマス・カスタマイズ性を追求しています。

1万円から始める資産運用を提供するLEVECHY、9億円の資金調達を実施

事業内容: 1万円から始める不動産クラウドファンディングサービス「LEVECHY」の開発・運営

調達金額: 9億円

引受先: 北國銀行

今後の展望: 地方銀行などの金融機関との連携強化、ファンドの資金調達

LEVECHYは、「投資をみんなのものに」をミッションに、1万円から始められる資産運用サービス「LEVECHY」を展開しています。LEVECHYは、会員登録・投資申込から配当金受け取りまでオンラインで完結する不動産クラウドファンディングサービス。予算に合わせた投資ができ、これまで不動産投資のプロしか扱うことができなかったスキームで、多種多様な物件へ1口1万円から投資が可能となっています。

今回資金調達の対象となったLEVECHYファンド17号は、西新宿の複合ビル1棟を対象とし、募集総額5億1,571万円に対し、10億9,193万円の応募があり、予定分配率(年率)8%、予定運用期間12ヶ月のファンドです。同社は今後も更に地方銀行などの金融機関との連携を強化し、ファンドの資金調達に注力していく方針です。

アフリカ農村部における水問題解決を目指すSUNDA、1億円の資金調達を実施

事業内容: 従量課金型自動料金回収システムの製造・販売・運用

調達金額: 1億円

引受先: 1982インパクトファンド、京都キャピタルパートナーズ、栖峰投資ワークス、京信ソーシャルキャピタル

今後の展望: ウガンダ全国および他国への展開加速、量産化の推進、営業人員の強化、新しいマネタイズモデルの導入

SUNDAは、アフリカにいるすべての人が安全な水にアクセスできることを目指すスタートアップです。安全な水にアクセスするためにボトルネックとなっている水設備の持続可能な維持管理を実現すべく、維持管理に必要な料金回収を効率的かつ効果的に行うことができる従量課金型自動料金回収システムをアフリカ現地にて製造・販売・運用しています。これまで、ウガンダ農村部にて最も普及している水設備であるハンドポンプ井戸を対象にした料金回収システムの導入を進めてきました。直近では、顧客からのリクエストを受け、地方都市や一部の都市部でも利用される公共水栓を対象としたプロダクトの販売もスタートしました。

SUNDAシステムは従量課金式プリペイド式水料金回収システムで、各水利用世帯にIDタグが配布され、水がチャージされたIDタグを水設備に設置されたSUNDAユニットに挿入することで水を汲み、汲んだ水量がIDタグにチャージされた水残高から差し引かれる仕組みです。ウガンダの農村部では、6万基以上のハンドポンプがあり、農村部の約半数の方がこのハンドポンプに頼って生活していますが、ハンドポンプの維持管理をするための料金回収ができていないことが主な原因となり、一度壊れると修理まで数ヶ月~数年かかることが多い状況となっています。SUNDAはこれまで約300基のハンドポンプ向けユニットを設置し、約10万人がSUNDAを利用して水代の支払い、継続的に安全な水にアクセスできるようになっています。

まとめ

3月31日から4月4日の資金調達例をまとめました。

今週の資金調達ニュースを見ると、幅広い分野でスタートアップが資金調達に成功していることがわかります。特筆すべきは、ジェイファーマのように日本発のバイオテックベンチャーが57.7億円という大型調達を実現し、グローバル展開を加速させていることです。また、シェアリングエネルギーの40.7億円の調達は、再生可能エネルギー分野への投資が引き続き活発であることを示しています。BALLASの事例からは、建設業界というトラディショナルなセクターでも、デジタル技術を活用したイノベーションに資金が集まっていることがわかります。

また、今回の資金調達事例からは、SDGsやサステナビリティに関連する事業への投資が目立っています。SUNDAのアフリカ水問題解決や、シェアリングエネルギーの太陽光発電普及など、社会課題解決型ビジネスが投資家から評価されています。特に、SUNDAのようなグローバルな課題に取り組む日本発のスタートアップが1億円の資金調達に成功していることは、インパクト投資への関心の高まりを示しています。今後も、社会的意義の高い事業や、既存産業をデジタル技術で変革するビジネスモデルに投資が集まることが予想されます。

「Plus Web3」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。

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