SBIホールディングスとスターテイルは、米ドル建てステーブルコイン「OUSD」を推進する「Open Standard」への参画を発表した。
円建て「JPYSC」との相互運用に向けた実証実験を検討し、国際決済の効率化を目指す。
円建てJPYSCと米ドル建てOUSDの接続を検討
SBIホールディングスとStartale Groupは2026年10月16日、「Open Standard」への参画と、両通貨のステーブルコインを連携させる実証実験の検討を発表した。
対象となるJPYSCはSBI新生信託銀行が発行する円建て信託型ステーブルコインで、日本の資金決済法や信託法制に基づいて設計されている。
一方、OUSDは、国境を越えた低コストかつ迅速な資金移動を目指す米ドル建てステーブルコインだ。
Open Standardは2026年6月に発表された取り組みで、Visa、Stripe、Mastercard、Coinbaseなどの大手企業が参加する。
発表資料では、140社超が構想に加わり、OUSDの導入に向けては200を超える金融機関や企業などが参画していると説明した。
両社はOUSDのオンチェーンでの公開を踏まえ、JPYSCとの相互運用性(※)を高める方法を検討する。
円と米ドルをまたぐ決済の迅速化に加え、トークン化資産の取引や資金分配など、金融用途への展開も視野に入れる。
2026年7月には、SBIグループのSBIグローバルアセットマネジメント、DigiFT Tech、スターテイル、将来的なJPYSCの活用を見据えたトークン化証券の決済・分配金支払いに関する技術検証を発表していた。
ただし、今回示されたのは実証実験の検討段階であり、新サービスの提供や本番環境での取引開始が決まったわけではない。
※相互運用性:異なるシステムやネットワークが連携し、情報や価値をやり取りできる性質。ステーブルコインでは、異なる通貨や基盤をまたぐ資金移転・決済などの実現に関係する。
円資産の国際流動性に期待、制度対応が鍵
円建てと米ドル建てのステーブルコインを円滑に接続できれば、企業が国境を越えて資金を動かす際の選択肢が広がる可能性がある。
従来は複数の決済手段や事業者を介する場面でも、オンチェーン上での処理を組み合わせることで、手続きや資金移動に要する時間を抑えられるかが焦点となる。
特に注目されるのは、決済だけでなくトークン化証券の売買や分配金支払いへの応用だろう。
JPYSCとOUSDの相互運用が進み、海外から円建て資産を取引しやすい環境が整えば、海外投資家や企業の参加を促し、円建て資産の流動性向上につながる可能性がある。
もっとも、技術的に接続できることと、実際の金融取引に利用できることは同義ではない。
通貨間の交換方法、参加者の管理、各国の法規制への対応など、実用化に向けて整理すべき課題が残る。
取引の安全性や運用上の責任分担も、利用拡大の前提となるだろう。
今回の参画は、日本の円建てステーブルコインを国際的な決済ネットワークにつなぐための足掛かりと位置付けられる。
今後は実証実験が具体化するか、そして検証結果を踏まえて安全性と利便性を両立できるかが重要となりそうだ。
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