米Googleは新たなフロンティアモデル「Gemini 4 Argon」を発表した。
長期的なワークフローで推論を継続し、ソフトウェア開発や法務・財務、サイバーセキュリティなど複雑な業務フローを支援する。
まずは一部のサイバーセキュリティ担当者へ段階的に提供する。
Gemini 4 Argon、複雑な長期業務に対応
2026年10月1日、米Googleは新たなフロンティアモデル「Gemini 4 Argon」を発表した。
複雑で長期的なワークフロー全体にわたり深い推論を持続できるよう設計されており、出力トークン上限は従来の6万4千から100万トークンへ拡大された。
1つのプロセス内で数十万トークンを生成できるとしている。
社内ではすでに数千人のGoogle社員が利用しており、量子アルゴリズムの最適化やデータセンターのメモリ削減、大規模コードベースの移行などに活用されている。
libgav1では32K行のSIMDコードを置き換え、既存のRust移植版より2.7倍高速に動作しながら、同等の動画出力を維持したという。
性能面では、DeepSWE v1.1で77.9%、AutomationBenchで51.3%、LVBenchで91.7%を記録した。
サイバー分野では脆弱性の発見・検証・パッチ適用を自律的に行えるとし、CWE-bench v1では68%で首位タイとなっている。
導入価格は100万入力トークンあたり2ドル、100万出力トークンあたり10ドルで、キャッシュ済み入力は入力価格の95%引きとなる。
現時点ではFairwind Programを通じて信頼できる一部のサイバーセキュリティ担当者へ順次提供している。
Googleは一般提供に向け、悪用防止、間接的なプロンプトインジェクション(※)対策、アライメント監視、システムのハードニングという4領域で安全対策を強化している。
今後はガードレールを改良しながらアクセスを段階的に拡大し、有料API利用者やGoogle AI Ultraユーザーをはじめ、開発者、企業、一般利用者への本格公開を目指す方針だ。
※プロンプトインジェクション:AIが読み込む文章や外部データなどに悪意ある指示を紛れ込ませ、本来の指示を無視させたり、意図しない処理を実行させたりする攻撃手法。
長期タスク自動化の拡大、安全管理が焦点に
100万トークンまで出力できるArgonは、単発の質問応答だけでなく、調査や分析、コード修正、文書作成を連続して進める長期的な業務との相性が良いと考えられる。
企業では複数工程を細かく分割せず、一連のワークフローとしてAIに任せられる範囲が広がる可能性がある。
Google社内ですでにコード移行やメモリ最適化などに活用されている点を見ると、Argonの用途は文章生成だけにとどまらない。
今後は、複数の作業を継続的に判断・実行するエージェント型AIとして、ソフトウェア開発や財務、法務などの業務への活用が進むことも考えられる。
一方、サイバーセキュリティ分野では脆弱性を自律的に探索・検証できる能力が、防御だけでなく悪用にも転じ得る。
企業が導入する際には、モデル性能だけでなく、権限設定や実行環境、出力内容の確認といった運用面の管理が欠かせないだろう。
Argonの普及が進めば、AIが長時間にわたって業務を遂行する利用形態が広がる可能性がある。
その際、作業効率の向上と高性能モデルに対する安全管理をどこまで両立できるかが、企業導入を左右するポイントになると考えられる。
Google Japan Blog 「Gemini 4 Argon:フロンティア知能の新時代」
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