2026年9月10日、三菱電機株式会社は、グループ約15万人分の人財データを可視化し、AIを活用して分析する「グローバル人財情報基盤」を2029年度までに整備すると発表した。日本国内の製造業における大規模な人事領域のデジタル変革として注目を集めている。
三菱電機、AIエージェント活用でバラバラだった人事データを統合
三菱電機は人財マネジメントに特化したAIエージェントを活用し、グループ全体の人財データをグローバルで可視化する基盤の構築に乗り出した。 従来はグループ会社ごとに異なっていた管理手法を共通の尺度に変換し、データに基づく高度な人財マネジメントを実現する狙いがある。
この施策の推進に向けて、東京大学松尾研発スタートアップのBAKUTAN株式会社と提携している。 BAKUTANの人事AIプラットフォームを利用し、職務経歴書などの非構造データ(※)を自動統合して分析可能な形へと変換していく方針だ。
さらに、次世代経営層候補向けのジョブポスティング制度におけるマッチング支援の実行可能性を検証する段階にある。 グループ約15万人のデータ量と質を高め、従業員のキャリアオーナーシップを尊重しながら適切な育成や配置、獲得を強化していくと言える。
※非構造データ:決まった形式で整理されていないデータのことで、人事領域では職務経歴書や人事評価の自由記述といった定性的なデータを指す。
AIドリブンな人事変革がもたらす影響 業務効率化の期待と運用の課題
将来的な展望として、あらゆる人財マネジメント業務においてAIの意思決定支援を活用した業務プロセスの再設計が進められていく見込みである。 これにより、AIドリブンなマネジメントが徐々に確立され、企業の経営体質強靭化やイノベーティブカンパニーへの変革を後押しする要素になるとみられている。
一方で、多様な定性データを高精度に解析・統合するプロセスにおいては、運用の継続性やプライバシー配慮に関する慎重な検証が継続的に求められることになる。 従業員の個別能力を多角的に評価しつつ、事業戦略に応じた機動的な配置を実現できるかどうかが、施策の成否を分けるポイントになると考えられる。
今後は、経営戦略の実行をけん引する人財の育成基盤として、同社の取り組みが他企業の人事戦略にも何らかの影響を及ぼす余地がある。 新たな人財マネジメントの試みとして、今後の具体的な動向に多方面から関心が集まり続けると予想される。
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