2026年7月3日、KDDI株式会社とKDDIスマートドローン株式会社は、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」に採択されたと発表した。ベトナムとフィリピンを対象に、AIドローンを活用した防災やインフラ点検の展開可能性を調査し、将来的な事業展開に向けた実証を進める。
AIドローンの海外展開へ調査事業が始動
KDDIが採択されたのは、「ベトナム社会主義共和国・フィリピン共和国/AIドローンを活用したデジタルソリューションの展開可能性に関する調査事業」である。KDDIは市場・事業環境の調査や全体統括を担当し、KDDIスマートドローンは現地法規制やパートナー調査、事業性評価を担う。
調査対象は、防災分野に加え、通信・電力・道路などインフラ設備の巡視・点検領域だ。市場環境や航空法規制、通信環境などの技術要件を検証し、現地に適したAIドローン活用モデルの構築を目指す。
対象国では急速な都市化と経済成長を背景にインフラ需要が拡大する一方、維持管理を担う人材不足や災害対応が課題となっている。特にベトナムは長い海岸線を抱え洪水や土砂災害が多く、フィリピンも世界有数の台風常襲国として知られる。こうした環境から、人が立ち入りにくい場所でも遠隔で状況を把握できるAIドローンへの期待が高まっている。
今回の調査結果を踏まえ、KDDIグループはベトナム・フィリピンでの本格的なドローン事業展開を検討する方針である。
海外展開の追い風となる一方、制度対応が課題に
今回の取り組みは、日本で培ったドローン運用や通信インフラの知見をグローバルサウスへ展開する第一歩となる可能性がある。事業化が実現すれば、防災対応の高度化やインフラ保守の効率化に加え、日本企業のAI・通信技術を組み合わせた海外ビジネスの拡大も期待できる。
一方で、各国の航空法や電波利用制度への対応、現地企業との連携体制の構築、通信品質の確保などは、事業化に向けた課題となる可能性がある。市場調査だけでは実用化の成否は判断できず、現地ニーズに合わせた運用モデルの確立も重要になると考えられる。
また、インフラ整備や防災需要の拡大を背景に、グローバルサウスではAIドローン市場の成長が期待されている。今回の調査が成果を上げれば、ベトナムやフィリピンにとどまらず、他のASEAN諸国への横展開につながる可能性もある。
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