日本法人のUiPathは、公共機関や規制産業向けにエージェンティックAI機能を強化した「UiPath Automation Suite™」を発表した。
クラウド型だけでなくオンプレミス環境にも対応し、データ主権やコンプライアンス要件を維持しながらAIと自動化の導入を進められる環境を提供する。
公共機関向けにAIと自動化を統合
2026年6月18日、UiPath株式会社は、同社の統合プラットフォーム「UiPath Automation Suite™」において、エージェンティックAI(※)関連機能を追加したと発表した。
対象は政府機関や規制対象産業であり、厳格なデータ管理やコンプライアンス要件への対応を前提としている。
今回のアップデートにより、利用機関はOpenAI、Google Gemini、Anthropicなどのクラウドホスト型大規模言語モデルを利用できるほか、自社データセンター内で運用するセルフホスト型モデルも選択可能となった。
これにより、データの保管場所や運用方針に応じて構成を選択できる。
最新版のAutomation SuiteはAWS、Microsoft Azure、OpenShift環境に対応し、既存インフラを活用しながら導入できる。
さらに、UiPath Maestro™によるワークフロー制御機能や、AIエージェントの構築を支援するAgent Builder、生成AI機能群を組み合わせることで、業務全体を横断した自動化を実現する。
また、統一ガバナンス機能により、監査性やデータ保護、コンプライアンス管理を一元化する。UiPathはISO/IEC 42001やFedRAMPなどの基準に対応していると説明している。
加えて、UiPath Test Cloudではソフトウェア開発ライフサイクル全体にAIを活用し、テスト工程の効率化や自動化も支援する。
※エージェンティックAI:与えられた指示をもとに自律的に判断し、複数のタスクを実行できるAI技術。従来の生成AIよりも高い自動化能力を持ち、業務プロセス全体の実行や管理に活用される。
公共分野のAI活用拡大を後押しか
今回の発表は、公共部門におけるAI導入の障壁となってきたデータ管理やセキュリティ上の課題に対応する動きとして注目できる。
特に政府機関では、機密情報や個人情報を扱うケースが多く、外部クラウド利用に慎重なケースもある。
そのため、オンプレミス環境でエージェンティックAIを利用できる仕組みは導入判断を後押しする要素になり得る。
また、従来のRPAが定型業務の自動化を中心としていたのに対し、エージェンティックオートメーションは状況判断や複数工程の調整を伴う業務にも適用範囲を広げる可能性がある。
一方で、AIエージェントの活用範囲が拡大するほど、運用ルールや責任範囲の明確化が重要になる。
誤判断や説明責任の問題に対応するためには、監査機能やガバナンス体制の整備が不可欠であり、導入効果だけでなく統制面の運用も問われることになるだろう。
公共部門では限られた人員で行政サービスを維持する課題が続いている。
今回のようにAI、自動化、業務管理を統合した基盤が普及すれば、生産性向上とサービス品質向上の両立を目指す動きが今後さらに広がる可能性がある。
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