日本のReproは一般消費者1,854人を対象に実施した「店舗・サービスの公式アプリについての消費者調査」の結果を公表した。
公式アプリの導入が購買・利用頻度の増加や継続利用の動機づけにつながる一方、AIの普及でブランドの乗り換え障壁が下がっている実態も示された。
公式アプリの効果とAI時代の課題が浮上
Reproは2026年6月16日、一般消費者1,854人を対象に実施した「店舗・サービスの公式アプリについての消費者調査」の結果を公表した。
調査期間は2026年5月18日から19日で、スーパーや百貨店、アパレル、飲食、金融、ホテルなどの公式アプリを少なくとも1つインストールしている利用者が対象である。
調査によると、公式アプリのインストール後に「店舗・施設での購入・サービス利用頻度が増えた」と回答した人は28.6%であった。
また、公式アプリによって「店舗・施設で購入・サービス利用する頻度が増えた」「その店舗・サービスを思い出す機会が増えた」といったポジティブな影響を受けている消費者では、約60%が公式アプリを日常的に起動することが「よくある」または「たまにある」と答えた。
日常利用を促す仕組みとしては、62%が「定期的に起動することでポイントやスタンプが貯まる」機能を支持した。
一方で、AIの活用によって「いつも使っている商品・サービス以外に乗り換えることへの抵抗感が薄れた」とする回答は、「とても当てはまる」12.1%と「やや当てはまる」29.7%の合計41.8%だった。
ただし、公式アプリのポイント・特典が店舗・サービスを継続利用する理由になり得るかを尋ねた設問では、「とても当てはまる」と「やや当てはまる」の合計が63.9%に達しており、経済的インセンティブの効力も確認された。
アプリ競争は「便利さ」より継続接点の設計が焦点に
今回の調査から見えてくるのは、公式アプリの価値が「あるかどうか」ではなく、「どれだけ日常接点を作れるか」に移りつつある点である。
AIが比較や代替提案を容易にするほど、企業は検索結果の上位に出るだけでは顧客を囲い込みにくくなり、アプリ内での継続利用設計が重要になっていく可能性が高い。
その意味で、ポイントやスタンプ、ログイン特典といった仕組みは、単なる販促ではなく接触頻度を維持する装置として再評価されそうだ。
特に来店回数が収益に結びつきやすい小売や飲食では、アプリを開くきっかけを積み重ねることでLTV向上につながるケースも考えられる。
一方で、インセンティブ依存には注意も必要である。特典設計が過度に価格訴求へ寄れば、ブランド選好ではなく「得だから使う」という短期的な関係に傾きやすい。
コスト負担が増えれば、アプリ運営の採算や値引き依存の常態化が課題になる場面も出てきそうだ。
今後はAIによるパーソナライズと会員基盤をどう結びつけるかが競争軸になるとみられ、行動データを活用した体験設計の高度化が焦点となるだろう。
公式アプリは、AIに対抗する手段というより、AI時代の顧客接点を自社で握るための基盤として存在感を強めていきそうだ。
関連記事:
東京ガス、AIで顧客接点を再設計 Braze×Databricks連携でLTV最大化へ

アプリ改修不要でWebView高速化 ReproがCDN活用の新製品β版を提供開始
